ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団の演奏するプロコフィエフ。交響曲第5番と「ピーターと狼」のディスク。録音は共に1975年であるが、「ピーターと狼」のナレーションのみ後日1977年に収録されたとのことである。録音は明晰で、歯切れの良い打楽器や、色彩豊かな木管楽器など細部をくっきりと捉え、全体の量感と色彩も豊かである。交響曲第5番は堂々とした佳演だが、一つ一つの旋律からどことなく懐かしいような暖かみのある情緒が伝わってくる。もちろん、終楽章などでは機能的な迫力を追及し、それが見事にはまっているのであるが。……「ピーターと狼」も、暖かみのある旋律と機能美のバランスが素晴らしいが、それにも増して特筆すべきはデヴィッド・ボウイのナレーションであろう。当時のオーマンディと同じRCAの所属だったことから白羽の矢を立てられたと想像するが、英国式の上品な発音を基調とし、それでいていきいきとした感情的な表現も物にする素晴らしいナレーターぶりである。