誰でもが一度は読んだことがある童話のバレエです。デッカから再販されているようですね。
私のはレーベルがロンドンで日本ポリドール発売のCDです。演奏者はまったく同じです。
導入曲は、優しい母親(この曲説明では父親は生きている)が亡くなってしまい、今は継母や意地悪な義姉たちにいじめらている場面を、とても重苦しくチェロや弦バスが低い音で奏でています。
その後、義姉の登場で曲が一気に変わり、騒々しい様子が出されています。服のスカーフの奪い合いが有名です。最後に母親が大きな鋏で切ってしまいます。版によるのでしょうが、父親が登場して掃除をしているシンデレラを慰めます。木管から始まる曲で仙女のおばあさんが「水を」とやってきます。松山バレエ団では「シンデレラの祖母」という設定でした。姉たちの舞踏会の衣装選び、身支度、付け焼刃の踊りレッスンなどはヴァイオリンのソロや弦楽器・管楽器の滑稽さで演奏されています。1人になったシンデレラの場面で再度導入曲のテーマが流れます。直後に、再びレッスンでの曲が演奏され、義姉たちの踊りのレッスンを見ていたシンデレラは箒を相手に踊り始めますが、最後はやっぱり寂しくて泣きます。先ほどの仙女があらわれて、次々と四季の妖精が踊り始め、シンデレラに必要な衣装を贈り物してくれます。着飾ったシンデレラを送り出すワルツの曲は大変重厚な音楽です。その中で、妖精は「12時までに帰るように」と忠告を出しますが、トランペットと打楽器によってうまく時計の秒針を表しています。
第2幕のシンデレラの登場音楽は、ゆっくりめで静かに始まります。初めてお城にきた「気後れ」のような
部分が木管から弦楽器へ現されています。
舞踏会では大きなオレンジが配られます。プロコフィエフ自身もこの曲が好きだったようで、「3つのオレンジへの恋」のオペラ曲が入っています。やっぱりシンデレラの家族は下品なので、ここではオレンジを手にした義姉のテーマ「パ・ド・シャ」といわれる第1幕の二人の音楽が木琴でやかましく演奏されます。
王子とのパ・ド・ドゥは華々しい音楽ではなく、しっとりとした曲調です。私は王子のヴァリアシオンが
好きです。力強い印象です。シンデレラの曲はクラリネット中心で演奏されます。その後、シンデレラが出発のときに奏でられたワルツが流れ全員で踊ってコーダとなりますが、そこで12時を時計が指します。
再び時計の音楽が奏でられ舞台は暗転し大時計が出現します。妖精が現われて「早く城から出るように」と言われ「もう少しだけ」と懇願する演出と、早々とガラスの靴を落として逃げる演出と両方があります。
どちらにしても、魔法は解けてしまい貧しい身なりとなった場面で悲劇的なテーマをトランペットが奏でます。
第3幕は残されたガラスの靴を探すという旅です。ディズニーのように王様が命じる場合と王子が探しにいく場合と様々です。原曲は2カ国くらいを回って、王子がヴァリアシオンを踊りますが、上演されるバレエ団と削除するバレエ団があります。(まあ、なくても問題ない。数人履かせてみればいいだけ)
ロシアと東洋を旅するようで、それぞれの曲がかかります。シンデレラは暖炉で目が覚めて片方の残った靴を大事にしまいます。二人の義姉は騒々しく舞踏会の話をしてみせ、オレンジの取合いが始まる情景です。
そこへお城の従者がやってきて、「靴を履いてみよ」という命令を出します。もちろん、シンデレラは履かせて貰えず、二人の義姉が真っ先に履いてみせ、二人とも駄目だったので母親までも履いてみせようとします。この場面は、金管楽器が同じ音を何回も吹いて無理矢理はく場面を描写しています。
怒った継母は、従者がシンデレラに気付き履かせようと近寄ったとき、杖で転ばせて靴は割れていまいます。(ここの演出は様々です)嘆く従者にシンデレラは持っていた片方を差し出します。従者は喜び王子は驚きながらも履かせてみるとぴったり。そこで妖精が現われて二人の手をとって祝福します。
場面は二人の情景に変わり、パ・ド・ドゥがゆるやかに始まります。ここで終わる場合と、終曲の「愛をこめて」で結婚式になる場合とまた様々です。どちらにしても「ロメオとジュリエット」のバルコニーの場面を
思わせる曲調です。振付も少し似た感じです。