一見、これはベームファン以外は買わないような、“キワモノ”の演奏に見えるが、実はこれらの曲の優れた演奏の一つである。
大体まず、ウイーンフィルがうまい!管楽器がなんていい音で、しかもユーモアをもって鳴るのか、と思う。それからベームもうまい。全体のテンポがいいし、そしていかにもベームだと思うのは、「獅子王の行進」とか「狼の主題」とか貫禄たっぷりである。それから、「動物の謝肉祭」でピアノの連弾を弾いているのが、現代音楽のエキスパート、コンタルスキー兄弟というのも特色ある点である。それらを含めて、際物といわれそうだし、(特に日本の)評論家はほめないかもしれないが、優れた演奏の一つだと思う。
2,3ヶ月前のイギリスの雑誌「グラモフォン」で「ピーターと狼」の比較をやっていて、その中でもこの演奏が取り上げられていて、ギンゴールドの語りをほめると共に、もっとも迫力のある狼をやっているのが、この演奏である、と書いていた。このあたりが、もうベームは古いなどといって済ませているような抽象的の文言の多い日本の評論家と違うところだと思う(どういうところが特徴あるか、ということが触れられていて、わかりやすい)。