この辞典は先行するプチ・ロワイヤルやラルースなどの仏和辞典の良い部分を旨く取り入れ、更に以下の点について、独自の工夫をしています。
(1)構文を主体に分かりやすく語義を定義、
(2)英仏のスペルの類似する単語の比較、
(3)比較欄、語法欄の充実、
以下、これらの点について説明します。
(1)構文を主体に分かりやすく語義を定義、
プチ・ロワイヤルでは構文的な内容が説明文中に埋もれており、中々把握できないところがありました。ラルースは構文を主体に語義が分類されており、気に入っているのですが、構文的な分類が細かく、日本語の訳語が少ないため、使いずらいく、そもそもの単語数が不足する場合が多々あります。その点、本辞典は構文的観点から必要な訳語についても探しやすいと感じました。
(2)英仏のスペルの類似する単語の比較、
既存の辞書では仏語単語に対応する英語単語が示されていますが、本辞典ではスペルの類似が、どのような意味の異同になっているのかを記載しています。他の辞書とは違う観点から仏英単語の比較が行えます。
(3)比較欄、語法欄の充実、
本辞書の凡例にも記載されているように比較欄、語法欄、が充実しています。
なお、上記特徴以外については、語義の図式化、本文中への動詞活用の記載、などすでに先行する辞典などの良い点をうまく取り入れていると思います。
後、長所か短所か困る点は、この辞書の発音音声を、Webサイトからダウンロードできる点です。PC利用者であればよいですが、CD-ROMで欲しい方もいるのではないかと、思いました。また、プチ・ロワイヤルのように付録の文法概要説明や、映画やシャンソンの蘊蓄、会話表現の強調(内容としては記載されていますが)はありません。
総合評価としては、他の著名な仏和辞典と同等以上によく工夫された辞典だと思いました。