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私は、本書の初版と第2 版でも「まえがき」を書きました。初版ではRuby を始めた「動機」について書き、第2 版ではRuby にまつわる「奇跡」について書きました。
この版の「まえがき」では、「勇気」について書きましょう。私はいつでも、勇気ある人々を賞賛します。Ruby 周辺の人々は皆、勇敢だと思います。本書の著者たちもそうです。彼らには、当時まだあまり知られていなかったRuby という言語に飛び込む勇気がありました。新しいテクノロジーを試してみる勇気がありました。古いテクノロジーに執着し、そのまま使い続けることだってできたはずですが、彼らはそうしませんでした。新たに手に入れた材料を使って、独自の世界を構築しました。彼らは、冒険者であり、探検家であり、開拓者です。彼らの努力によってはじめて、我々はRuby という実りある成果を手にすることができたのです。
今、強く感じるのは、私がこれまでに成し遂げたことは、そうした勇敢な人たちの助けを借りてRuby というひとつの宇宙を創造したようなものだということです。この「宇宙」は、最初はエドモンド・ハミルトンによる古典SF『フェッセンデンの宇宙』に登場するミニ宇宙のようなとるに足らないものでした。しかし、今では本物の宇宙のような広大な世界になりました。数え切れないくらいの勇敢な人々がRuby を使うようになりました。彼らは、日々新しいことに挑戦し、Ruby の世界を、より良い、より大きなものにしようと努力を重ねています。私は、そうしたRuby 界の一員であることを本当にうれしく思います。
Ruby の宇宙をすべて記述しようとするならば、「世界もその書かれた文書を収めきれないであろう」(ヨハネ21:25)と思います。本書はそのようなRuby の宇宙を書き表した最初の本です。このたび、最新の情報が盛り込まれて、改版されました。どうぞ、お楽しみください。
まつもとゆきひろ, a.k.a. "Matz"
2009 年2 月、日本にて
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