何十巻も単行本を書いている著者が、パースを基礎から丁寧に説明してくれる。
著者の漫画を見た方はわかると思うが、著者の漫画は驚くほど無駄のないコマワリ、
論理的な話の展開、実は複雑な話でも抵抗なく読めるという、作品に数学的美しさすら感じる漫画。
そしてぶっちゃけそういう目で見なくても普通に面白いし読みやすい、という内容である。
さて、今回はそんな著者がパース本を出されていて
たいへん良いものだったのでオススメする。
これまでのパース本は、「こんな立派な校舎、漫画に入れたら浮くよ!主人公より、校舎が
目立つよ!」というくらいの真面目なパース本ばかりだった(と思う)。
パース本にしたがって、画面に書いていったらなんだかなじまない、ということが多かった。
この本はそういう問題を解決する。
しかも驚くほど読みやすく、わかりやすい。
・西澤晋の「リアルなキャラクターを描くためのデッサン講座」のカメラと構図の話を
アニメーター視点ではなく、漫画家視点で説明してくれる。
・なにより、現場の経験から教えてくれる。
(量として漫画かいたことのない人のパース話は、あんまり意味無いことがよくわかる。)
・装丁は自費出版っぽい。
・全編ほぼ漫画。読みやすい。すぐに読める。
・著者による参考例の漫画がすごい。
(サッカーの試合シーンとか、そんなとこまでパースが生かされていることがよくわかる。)
・シーン別の「どうしてそのパースを選んだのか」という解説がありがたい。
中上級者向きだという意見もあるようだが、私はそうは思わない。
たしかにこの本には、パースの具体的な書き方は載っていない。
(頂点と頂点を交差させて、床タイルを書くとかの「書き方」ね。)
あくまで漫画という「画面をつくる感覚」を生かすための技法書である。
というわけで初心者さんには
「パースの基礎本(パース塾とか?)」+「この本」をおすすめする。
しかもどっちかというとこの本読んでから、パースの基礎本読んだほうがいいと思うな。
漫画の画面を、「感性を生かして創る」ために、しっかり説明してくれる名著だと思う。
ちなみに「パース」+「カメラ、アングル、画面の切り取り方」の本とも言えると思う。