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プレーンソング (中公文庫)
 
 

プレーンソング (中公文庫) [文庫]

保坂 和志
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

うっかり動作を中断してしまったその瞬間の子猫の頭のカラッポがそのまま顔と何よりも真ん丸の瞳にあらわれてしまい、世界もつられてうっかり時間の流れるのを忘れてしまったようになる…。猫と競馬と、四人の若者のゆっくりと過ぎる奇妙な共同生活。冬の終わりから初夏、そして真夏の、海へ行く日まで。

登録情報

  • 文庫: 245ページ
  • 出版社: 中央公論新社 (2000/05)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4122036445
  • ISBN-13: 978-4122036444
  • 発売日: 2000/05
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (23件のカスタマーレビュー)
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27 人中、26人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
この小説は、一見すると単なる身辺雑記のように見えますが、読んでいるうちに、何か違う、という感じが沸いてきます。それが最もはっきりするのは、ちょっとわざとらしく挿入されているチェルノブイリ原発事故のくだりで、ここで登場人物は、環境問題について一席ぶつわけでもなく、国政政治についてウンチクをたれるでもなく、逆にノンポリ居直り宣言をするでもなく、くだらない感想だけで流してしまいます。つまり、この作者は、単に思いつきを書いているのではなく、何を書き、何を書かないか、ということを、強い思想を持って選別しているらしいのです。

この小説に書かれないものは、そういった社会的大事件や個人的大事件だけではありません。たとえば、いわゆる心理描写のようなものも省かれているようで、この小説には、似非精神分析には格好の素材と言える、ちょっと癖のある人物がたくさん出てきますが、その心理が深く掘り下げられたりすることもありません。

しかし、この小説を、いわゆるアンチロマンみたいなものだと考えるのも間違っていると思います。なぜなら、アンチXXというのは、何かを書かないことによって、逆に書かれなかったものにスポットを当てようという意図を持っていますが、この小説の力点は、あくまで書かれたものの方にあるからです。そのような作業を通して、著者が書きたかったものは何か、それは、陳腐な言い方ですが、「日常の中の官能」のようなものかもしれません。

おそらく、「あのころ楽しかったな~」というノスタルジーだけで小説を書いてみても、決してこの感じは出ないでしょう。作者は、そういう微妙なものを、強力なフィルタリングによって抽出することに成功しました。それは、「終わりなき日常を生きろ」とか悲壮に叫ぶよりも、よっぽど人々に勇気を与えるものだと思うし、もともと、小説の社会的機能というのは、そういうものだったかも知れないのです。

このレビューは参考になりましたか?
8 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
解説にも書いてあるけど、これは「究極のリアリズム小説」です。

僕にとっては、初体験の非常に新しいジャンル・文体の小説でした。

「何てことない日常を何てことない日常としてリアルに描きつつ、焦点を絞らぬ独特の「注意深さ」を発揮して、言語に頼っていては決して届かない日常の微妙な「細部」の発見に成功する。」

(解説より)

この解説の言葉にあるように、一見この小説は「何も起きない」のだ。

一見と言うか、実際に「何も起きない」。

ただただ日常を書き連ねている。

それが新しいし、「フィクション」である「小説」にとって革命的な試みなのかもしれない。

って事で評価の難しい小説。

決して「おもしろい」とは思わない。

でも「すごい」かもなぁ。
このレビューは参考になりましたか?
12 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
しずかな生活 2001/1/19
By カスタマー
形式:文庫
近所のちいさな猫のためにえさを置き、週末には競馬に行き、恋をするでもない「僕」と、僕の部屋に居候しつづける4人の男女のしずかな日常。こういう題材にまま臭う、過度のロマンチシズムも感傷もないところが心地いいです。続編「草の上の朝食」もきっと読みたくなります。
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