主人公の人生は、「悲惨」としか言いようのないものです。
しかし、それを感じさせない話になっています。
もちろん、主人公の前向きな生き方、考え方もあります。
でも、それ以上に重要な働きをしているのは、「教育」であり、教師や仲間たちの「愛情」です。
そうした支えがあってこそ、主人公は真っ直ぐ前を向いて生きてゆけるのでしょう。
この小説は、主人公の不十分な読み書きに依っています。
それが、ある種ユーモアのようなものを醸し出して、話を深刻なものにしていないと言う面があります。
又、そのままならぬ「書く力」が、「教育」によって徐々にその能力だけでなく、人間としての大きさ、逞しさを齎しているのが解ります。
その辺りの著者の意図は見事に成功しています。
そして、この本の中で語られるイーチ・ワン・ティーチ・ワンの素晴らしい雰囲気も良く伝わってきます。
そしてそれは、「教育」の力の大きさをしっかりと語っています。
こんな教育機関が沢山あれば、もっと社会は良くなり、住みよい社会が出来るだろうにと思います。