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プルーストとイカ―読書は脳をどのように変えるのか?
 
 

プルーストとイカ―読書は脳をどのように変えるのか? [ハードカバー]

メアリアン・ウルフ , 小松 淳子
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (17件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 2,520 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容紹介

〈文字・読書は、脳を劇的に変える!〉
古代の文字を読む脳から、ネットの文字を読む脳まで、
ディスレクシア(読み書き障害)から、読書の達人まで、
脳科学 x心理学 x教育学 x言語学 x文学x考古学をめぐり、解き明かす。
*マーゴット・マレク賞受賞

●主な内容
・古代の文字は、どのように脳を変えたのか?
・脳は成長につれて、どのように読み方を学ぶのか?
・熟達した読み手の脳とは?
・オンライン・リテラシーの進展によって、何が失われるのか?
・ディスレクシアの4つの原因と早期発見の方法・最新教育とは?
・英語・外国語はいつから、どのように教えるべきか?
・日本語脳・英語脳・中国語脳の違いとは?

……優れた業績により数々の賞を受賞した著者が、
その卓抜な成果を凝縮させた待望の論考!

●メアリアン・ウルフ
タフツ大学のエリオット・ピアソン小児発達学部教授、読字・言語研究センター所長。専門は認知神経科学、発達心理学、ディスレクシア研究。優れた業績により、アメリカ心理学会、国際ディスレクシア協会、アメリカ国立小児保健・人間発達研究所などより数々の賞を受賞している。本書も、読字に関する最良図書として「マーゴット・マレク賞」を受賞。


●目次
■ Part 1 脳はどのようにして読み方を学んだか?
第1章 プルーストとイカに学ぶ
第2章 古代の文字はどのように脳を変えたのか?
第3章 アルファベットの誕生とソクラテスの主張

■Part 2 脳は成長につれてどのように読み方を学ぶか?
第4章 読字の発達の始まりそれとも、始まらない?
第5章 子どもの読み方の発達史脳領域の新たな接続
第6章 熟達した読み手の脳

■Part 3 脳が読み方を学習できない場合
第7章 ディスレクシア(読字障害)のジグソーパズル
第8章 遺伝子と才能とディスレクシア
第9章 結論:文字を読む脳から「来るべきもの」へ
・・<日本語版向けオリジナル・テキスト追補>

レビュー

週刊文春、日本経済新聞ほか
●立花隆ーー週刊文春「私の読書日記」
非常に面白い。
・・・文章を読んでその意味を取るという行為は、全脳をフルに使う驚くべく複雑な知的作業である。そのプロセスがミリ秒単位で明かされていく。

●山形浩生ーー『ビジネス スタンダード ニュース』
大プッシュ・・これはすごい本。
読む、という行為は、単純な情報獲得手段じゃない。この能力を身につけるために、人間の脳自体が変化する。
そしてその能力が新しい視点や深い思考の獲得を可能にすることで、ぼくたちの文化をも形成する。それを脳科学や児童心理学、歴史学、教育学など多岐の分野を縦横に使って説明した驚異的な本だ。

●養老孟司ーー毎日新聞「日曜書評欄」より
一般人向けに書かれたものなので、脳に関するさしたる予備知識はいらない。言語系の教育に携わる先生たち、学ぶ生徒、さらに読書が苦手な人はいうまでもなく、多くの人に読んでもらいたい書物の一つである。そうすれば、安易に小学校で英語教育を、などといわなくなるだろうと、私は思っている

●竹内薫(サイエンスライター)ーー日本経済新聞・「目利きが選ぶ今週の3冊」
「読む」ことで人間の脳はどう変わってきたのか? 本好きにはたまらない疑問に明快かつ詳細に答えてくれる。★★★★(読みごたえたっぷり、お薦め)

●粉川哲夫(東京経済大学教授)ーー東京新聞・中日新聞「日曜読書欄」
・・ディスレクシアは、だからケータイメールを読むが本を読まない世代を否定しないのであり、かえって、そのようなデジタルテクノロジーと「分析と推論ができ、自分の考え方で文字を読む」ことが接合された場合には、まったく新しい表現や創造性が生まれる可能性を示唆しているわけだ。

●アルベルト・マングェルーー『読書の歴史 あるいは読者の歴史』などの著者
脳によって、いかに私たちが言葉の魔術師になりうるのかついての、面白く、包括的で、楽しく明快な記述が、ここにある。

登録情報

  • ハードカバー: 384ページ
  • 出版社: インターシフト; B6版 (2008/10/2)
  • ISBN-10: 4772695133
  • ISBN-13: 978-4772695138
  • 発売日: 2008/10/2
  • 商品の寸法: 18.6 x 12.8 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (17件のカスタマーレビュー)
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38 人中、34人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:ハードカバー
さて、どんな本かと読み始めたら、これが面白い。
まるで秀逸な、推理小説を読むような謎解きによって、
人間にとって読書することが、いかに特別なことかを、
歴史的検証と、科学的確認によって進めていきます。
本来この本は、ディスレクシア(読字障害)の研究で、
なぜこうした障害が起きるのかを解明するものでした。

ディスレクシアに関しては、最近日本でも問題になり、
子どもの学習障害として、認識されてきているようです。
ところが調べてみると、大きな成果を残した偉人たちが、
実はこの読字障害だったことが次々に判明してきます。
そして最新の脳科学が、読字文化の構造を明らかにして、
その成果としてわかってきたことを、順序立てて紹介し、
最先端の成果を、案内してくれる本だったのです。

生来人間の遺伝子に、特定の読字を担当するものはない。
それなのになぜ読字が可能になるのかは、教育によります。
もちろんこの教育とは、学校教育以前の子育てにあって、
視覚と聴覚をフルに使いながら、パターン化を繰り返し、
新しいニューロンを育てると同時に、古いニューロンも、
再編再利用しながら、新しい役割をもたせていくのです。
その結果、読字には複雑な工程が伴ってくるのですが、
これを高速化する働きが左脳にあって、全体を管理します。

ところが、人によっては右脳など別の場所を使うので、
高速化がうまく行かず、読字行為に困難が生じるのです。
だけどこの障害は、ニューロン再編成の個性でもあるので、
かならずしも悪いものではなく、むしろ別の才能を伺わせる。
育児教育第一人者としての著者は、この研究成果から、
読字障害を持つ子供には、普通とは違う教育指導が必要で、
これを理解し指導すれば、社会に有益な人が育つと言います。

さらに著者は、ソクラテスが文章化を嫌ったことを例に挙げ、
文字文章が、話し言葉の思考を失う可能性があったとも言及します。
よく言われるところの「文章は死語」であることを認めた上で、
書く行為が書き手の深い自己との向き合いがある場合にのみ、
読者は時間を超えて、その自己と向き合うことが出来る!
これが人間にとって、文章化の大きな成果だったと言うのです。

僕らは膨大な情報を瞬時に受け取る、新しい情報社会を迎え、
文字文化によって受け取った「考える時間」をどうするのか?
さらに新しい脳細胞の再編成によって、どんな能力が得られ、
それによって失うものが何かを、考える必要があることを、
著者は最後に、懸命に訴えているように思われました。
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22 人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By h.yamagata 殿堂入りレビュアー
形式:ハードカバー
 へんてこな題名の本書は一言でいえば「読む」という行為に関する本だ。読書論は、自足しきったジジイの夜郎自大な書斎談義になったり、「最近の若者は本を読まない」的な文化人の愚痴でしかなかったりする。でも本書はそんなのとはまったく異なる、本がいかに人間を変えたかを縦横に描き出した、コンパクトながら実に壮大な本だ。
 大人はごく自然に物を読む。だから読書というのを、単に透明な情報獲得手段として考えてしまいがちだ。だが実際には、それは多大な苦労を経て習得された技能だ。その過程で脳は歴史的にも大きな変化を強いられ、比喩ではなく「読書脳」となる。その読書脳が多くの人に共有されたことで、逆に人間の文化と文明も大きく規定されたのだ。

 本書はその有様を進化学、脳科学、言語学、文学、教育学などを自由自在に使って説明する。物を読むときの脳の働きは分析が進んでいる。英語と日本語での脳の働きの差や、古代人の脳や子供の言語習得の解説はきわめて刺激的。読むことで脳は他の視点と時間の中で深く思考できるようになる!

 そうした読む喜びを描き出す一方で、本書は読む悲しみをも示す。その例が失読症の人々だ。エジソンやピカソなど多くの失読症者は、別の才能を高度に発達させていることが多い。人々は、読む能力と引き替えにそうした才能を失ってしまったのだ。

 そしていま、ネットで人々の情報環境は変わりつつある。ネット等は、従来の読む行為を破壊する可能性もある。その不安を著者は率直に述べる。だがそれをさらに深める可能性も持っているのだ。本書はこの両方の可能性をわかりやすく描き出す。そして最後には、人類が文章を超越する可能性にまで思いをはせる……

 すごい。読むうちに本書は様々に様相を変え、あなたは予想外のことに思いを馳せているはずだ。そしてそれでいいのだ、と本書は語る。「読書の目標は、(中略)最終的には書かれた文章と無関係な思考に到達するところにあるのだ」から。本書で是非ともそれを体験されんことを! それは今後のあなたの読書そのものに、一段と深みを与えるだろう。
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15 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:ハードカバー|Amazonが確認した購入
 星の数には注釈が必要である。文字文化と脳科学の関係を専門的に学びたい人には、5つ星の教科書・参考書であろう。この翻訳困難な本をよくぞここまでうまく翻訳したと、英語と専門分野に通じているに違いない翻訳者を称えたいので、日本語で勉強したい人にとっては福音であろう。
 専門家になる気は無くて、文章を読む時の脳の働きや読字障害などの一般常識を深めたい私のような読者にとっては、本書は読んで理解できる明解さに欠け、3つ星の評価である。平均して4つ星としよう。単純明快でない理由は多分、(1)脳科学の複雑さと、(2)原本の親切心不足にあって、(3)翻訳者の罪ではなかろうと感じた。
 本書は3部作で、(1)文字文化の発生と発達、(2)子供が文章を読めるようになる過程、(3)読字障害、をそれぞれ脳科学から解説している。
 私が学んだ点の幾つかを列挙すれば、(a)聴覚などとは異なり、読字能力は天賦のものではなく、個々人の学習により脳の天賦の機能が連結され転用されて実現するものであること、(b)文字は絵文字→表意文字→音節文字→音素文字のように進化し、脳も同時に進化してきたこと、特にエジプトの象形文字を含む多くの古代言語で漢字かな混じり文のように表音文字+音節文字の形が広く用いられた歴史があり、日本語の漢字かな混じり文が必ずしも特殊な歴史の悪戯ではないこと、(c)英語と中国語では読字に用いる脳機能は異なり、日本語は中間的であること、(d)読字能力の育成取得には、幼児期の文字文化環境が深く関係していること、(e)読字障害の原因は多種多様。しかし読字障害の人は総じて右脳機能が発達し、Edison, da Vinci, Einsteinのような偉人も輩出していること、などを興味深く理解した。
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