ろくに話したこともない、ただ一度だけキスされた、その相手・六条のことがなぜかずっと忘れられずにいた橘。
ある日突然姿を消してしまった六条と、橘は唐突に再会します。
…刑事と、その捜査対象のヤクザとして。
最初、切った何だのヤクザモノかと思ったのですが、むしろ話はこの二人の心情やすれ違いに重点が置かれていて、作者自身もあとがきで触れていましたが、純愛モノのようにひたむきな印象を受けました。
前半が橘側からの、後半が六条側からの視点になっていて、二人ともいじらしいほどにお互いを想っているのに、自身や相手の立場やしがらみに身動きが取れなくて…。
死ぬまで秘密にすると誓った橘が「刑事になった理由」が、何ともせつなかったですね。