【STORY】
伝説のヴァンパイア・ハンター=プリーストは、ある日ヒックスという青年から、兄一家がヴァンパイアに襲われ、姪のルーシーが連れ去られたことを知らされる。プリーストは人類に危機が迫っていることを教会に警告するが信じてもらえず、掟を破ってヒックスとともにルーシー救出のため、ヴァンパイアの巣窟へ向かう。教会は、彼らを罰するため別のプリースト集団を派遣するが、そのリーダーはかつてのプリーストの戦友であり、彼と共に再び熾烈なヴァンパイアとの戦いに身を投じていく。今まさにヴァンパイアVS人類、種族の存亡を賭けた新たな戦争が始まろうとしていた・・・
【レビュー】
すっかりアクション俳優として活躍するポール・ベタニー主演のヴァンパイアハンター映画。ポール・ベタニーの雰囲気と予告映像の見せ方が『レギオン』ぽいなぁと思っていたら監督はまさに『レギオン』のスコット・スチュワートだった。前作から割と間も空けずに再タッグを組んでいる。
世界観は近未来のような雰囲気(都市とか高速バイクとか)を漂わせつつ、ウエスタン風な雰囲気も混ざり独特なものとなっている。ヴァンパイアに関しても従来の気品ある吸血鬼ではありませんよ〜、獰猛で動物的なクリーチャーですよ〜という新鮮味を出したかったようだが、近年ではこうした表現は別に目新しくなくなっているのが残念(『30デイズ・ナイト』シリーズとか)。ヴァンパイアの描写も『バイオハザード』や『ドゥーム』に出てくるクリーチャをちょっと混ぜてみましたという感じで少し二番煎じ。
主人公プリーストを演じたポール・ベタニーは相変わらずカッコいい。この人がシリアスな演技をすると、どんなふざけた状況も真面目にしなければいけない感じがし、逆に言えばコメディ映画に向いていない。向かなくていいんだけど。パッケージ(映画ポスター)の雰囲気だけで言うわけではないが『アサシンクリード』を映画化する際も是非この人でやって欲しい。
敵役のブラックハット(プリーストもそうだけど名前じゃないじゃん)にはカール・アーバン。かつては主人公の仲間で、過去の出来事でヴァンパイアの集団の中に取り残され、''女王'≠フ寵愛?を受けて新たなヴァンパイアになった彼。本人は''人間ヴァンパイア'≠ニ言っていたが要はブレイドみたいなデイ・ウォーカー。あくまで人間形態を崩さない彼だがそこは敵のボスらしく変身しても良かったのでは。
プリーストのかつての仲間で彼を追う使命を受けたプリーステス役には新生二キータのマギー・Q。彼女もすっかりアクション女優となっているが、今作でもスタイリッシュ。名前のとおり聖職者なので無駄にセクシーな服装はなく、純粋に彼女の魅力が発揮されている。プリーストと行動を共にする保安官ヒックス役は『バーレスク』『パンドラム』のカム・ジガンディ。一応ムードメーカー的な性格で基本いい奴。ゆえに最後には自分を犠牲にするタイプと思いきや最後まで善戦していた。主人公もこの2人の協力がなければ危険な状況があり、3人行動なんかはアドベンチャー的な作風でもあった。登場人物や人間関係はシンプルで分かりやすいと言えば分かりやすいし、味気ないと言えば味気ない。
数あるヴァンパイア映画の中では、強烈な印象を残せる作品ではない。ハリウッドでも燦燦たる評価で、制作費に対して興行収入が下回ったという事実があったようだが、実際に観賞してみて、格別に面白くはないがそこまでは悪くもないんじゃないかというのが素直な感想。ヴァンパイアの女王の存在も明るみになり、主人公も『戦いは始まったばかりだ』と言っていたので続編を作る気は満々だったのかもしれないが、この収入成績では続編はなさそう。個人的には今作よりも『レギオン』の方が若干面白く感じ、どちらかというとそちらの続編を作ってほしい。
特典はスコット・スチュワート監督、コリー・グッドマン(脚本)、ポール・ベタニー、マギー・Qらによる音声解説、7つの未公開シーン、メイキング映像2本。本編同様サラっと観れる長さとなっている。