コロラトゥーラ・ソプラノに相応しい透明感と高音のハリがありました。声楽科を卒業し東京混声合唱団に在籍していたわけですから、正規のヴェルカント唱法の訓練を積んでいますので、音程の狂いもなく変な発声の癖もないので聴きやすかったです
声量はCDで聴く範囲では分かりませんが、クラシカル・クロスオーバーを歌っており、マイクを通しての歌唱でしょうから、それは支障がないでしょう。
選曲はヒーリング効果ももたらすような、クラシックから少しポップな音楽に軸足を置いているようです。10曲目までを編曲した三宅一徳もそのあたりを意識して、バックのサウンドを工夫していました。
「VICTORY DRIVE」はTOYOTA『アルファード』CM曲でした。有名な「歌劇『魔笛』より〜夜の女王のアリア〜」の一番の聞かせどころを使用して、印象的な透明感あふれる歌唱を披露しています。深澤秀行の作曲・編曲が、ロック色のある音楽をバックに流していますので、疾走感が伝わってきます。最高音も録音を聴く限り、しっかりとポジションが取れていて、キチッとした頭声になっています。プロにそのような評価を書くのもおこがましいですが、これだけ有名なアリアを録音するということは、過去の名演奏と比較されるリスクを取っているわけで、一定の成功を果たしていると評価しました。
ロイド・ウェッバー作曲の『レクィエム』から「ピエ・イエーズ」を取り上げています。サラ・ブライトマンとステージを一緒にしたことから、サラの歌唱法に関心をもち、その音楽ジャンルを歌っていこうという意味合いにおいて、この選曲は通過儀礼のようなものでしょう。サラのようなソプラノ風の発声と、マイルズ-キングストンのようなボーイ・ソプラノ風の発声を巧みに歌い分けており、これは巧みなテクニックだと思いました。この路線は持ち味でしょうから。