この本には「女性同士ゆえの壁や苦悩」は一切ありません。
「それ私の担当じゃないし」という作者の声が聞こえてきそうなぐらい、そこら辺は見事にスルーされています。
それは作品の主眼が「不完全な人間同士が付き合う上での素晴らしさとか大変さ」にあるからかと思われます。
「恋人とのお泊りにむけてのダイエット」、「酒に酔わせて一気に頂こうと画策→いい雰囲気になったのに失言により失敗」「勢いは大事だし成り行きでできちゃうのもアリだけど、言葉での線引き大事」等、どれも性別やセクシャリティに限らず、身に覚えのある人も多い経験ではないでしょうか。
女性同士である必要性のない恋愛話が百合で読める、そこが個人的に素晴らしいと思います。
異色作「バンカラ・乙女学園」も含めて「百合」というジャンルの普遍性や可能性を内包した稀有な百合漫画。ってわけで星5つ。
あと何といっても、女の子の可愛さと読後感の良さが素晴らしい。百合が好きな人も特に好きじゃない人にもお勧めです。