私達の目に無色にうつる太陽光も、操作を加えると様々な色の光に分散出来るように、この物語もあるひとつの事象をはじめに、様々な視点、次元からそれを眺め、文章に結晶させたもののように思える。だからこそプリズムなのかと、思ってみたり。
これまで神林さんの作品のなかではちょっと異色かとも思った。テキストや言葉を描く(というのも妙な話だが)よりも、色に、つまり視覚的なものに主眼が置かれているように一旦は思えたからだ。
けれど、結局全ては言葉に還元される。あるいは思いに。そしてもっとシンプルな、言語に還っていく。
切れの良い言葉で綴られていくストーリーが魅力的。神林さんの作品を作品をいくつか、とくに言壺をよんでから読むとさらに味わい深いと思います。海賊課も捨てがたいが。