NHKでの初回放映時からのファンでありながら、ビデオ版もレーザーディスク版も買いそびれていた私は、このDVD版の発売を長年待ちこがれていた。
「6」枚のディスクと20ページほどの解説ブックレットを収めたパッケージは、全体が観音開きになるタイプのもので、簡素なものだが、黒と赤を基調としたデザインはなかなかスマートだ。 また、ブックレットは分量的にややもの足りない感じもするが、シリーズのポイントは要領よく押さえている。
お約束の「特典映像」の目玉は、本シリーズのパイロット版として制作された「ビッグ・ベンの鐘」と、番組の見所や制作裏話を紹介した The Prisoner Companion(ほかに各話のオリジナル予告編や、なぜか「サンダーバード」のイントロ画像も収められている)。「ビッグ・ベンの鐘」のほうは、別バージョンのテーマ曲がかぶせられたイントロ部分と、不思議なメッセージが唐突に登場するラスト部分を除けば、本編と大差はないので、あまり過剰な期待はしないほうがいいだろう。いっぽう、The Prisoner Companion は、このシリーズ全体のガイド役に相当するもので、基本的なトリビア知識もひととおり得ることができるようになっている。ただし、これらは既存のビデオ製品をソースとしたものらしく、はっきり言って画質は悪い。
また、小山田宗徳ら、声優についてのクレジットが見られないこと、オリジナル音声に比べ、日本語音声の欠落部分がめだつこと(これは国内での放送時の制約もあり、やむをえないことだろうし、仕様として明記されている)、そして、日本語音声の中から、いわゆる「差別語」に相当すると思われる部分が随所で削除されているのも不満の残る点だ。もちろん、原語で視聴する限りは何の問題もないが、進行中とされている映画版「プリズナー No.6」完成の暁には、いま一度ソースマスターにさかのぼって、少なくとも削除部分の音声ぐらいは補ったバージョンがリリースされることを期待したい。
以上、全体の完成度を考え、★ひとつマイナスしてはいるが、ドラマ自体は★5つものであることに間違いはない。この希有なTVドラマシリーズがさらに多くの人々の目にふれる機会を得たことを喜びたい。