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プランク・ダイヴ (ハヤカワ文庫SF)
 
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プランク・ダイヴ (ハヤカワ文庫SF) [文庫]

グレッグ・イーガン , 鷲尾直広 , 山岸 真
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

地球から遙か遠宇宙のブラックホール〈チャンドラセカール〉ではある驚異的なプロジェクトが遂行されようとしていた。果たして人類は時空の構造を知り得るのか?――ローカス賞受賞の表題作、別の数学体系をもつ並行世界との最終戦争を描く「暗黒整数」、ファースト・コンタクトSFの最高峰「ワンの絨毯」ほか、本邦初訳作品を含む全7篇を収録。現代SF界最高の作家の最先端作品を精選した日本オリジナル短篇集第4弾。
[収録作品]
「クリスタルの夜」
「エキストラ」
「暗黒整数」
「グローリー」
「ワンの絨毯」
「プランク・ダイヴ」
「伝播」

内容(「BOOK」データベースより)

地球から遙か遠宇宙のブラックホール“チャンドラセカール”では、ある驚異的なプロジェクトが遂行されようとしていた。果たして人類は時空の構造を知り得るのか?―ローカス賞受賞の表題作、別の数学体系をもつ並行世界との最終戦争を描く「暗黒整数」、ファースト・コンタクトSFの最高峰「ワンの絨毬」ほか、本邦初訳作品を含む全7篇を収録。現代SF界最高の作家の最先端作品を精選した日本オリジナル短篇集第4弾。

登録情報

  • 文庫: 415ページ
  • 出版社: 早川書房 (2011/9/22)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4150118264
  • ISBN-13: 978-4150118266
  • 発売日: 2011/9/22
  • 商品の寸法: 15.7 x 10.7 x 1.7 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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18 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
 山岸真編のグレッグ・イーガン短編集としては、まさに衝撃的な遭遇だった『祈りの海』以来の面白さでした。『ひとりっ子』が個人的にはいまいちだったので、あまり過剰な期待はしないでおこう……などと思いつつ読み始めた巻頭の「クリスタル・ナイト」――サイバー時代の「フェッセンデンの宇宙」譚――の疾走感と密度にいきなり引き込まれ、あとは最後まで一気に読めました。残りページが少なくなるのが寂しい、と感じた読書は久しぶりです。
 たぶん集中の最高峰「ワンの絨毯」は、『ディアスポラ』に組み込まれた、あの気の遠くなるようなエピソードの原型です。そう、ほとんどの人類が肉体を脱ぎ捨て人工生命化している未来で、物質の手触りに意味を見いだす連中が地球外生命体との遭遇を求めて深宇宙へと自分たちのクローンを散種する。そして終に出会った不可思議な生命体は、実は……という、希有壮大にして超ハードな疑似科学が炸裂する、しかもなぜか静かな悲しみさえ漂う、現代SFの傑作です。表題作「プランク・ダイヴ」も、ブラック・ホールへの下降というハードなメイン・アイデアの背景として、安易な科学嫌悪にはまっている老人とその世界から抜け出したい娘との葛藤という、ニセ科学問題など考えると何やら身につまされる設定が描き込まれて、物語に奥行きを与えることに成功しています。ラストシーンには鳥肌が立ちました。そして巻末に置かれた「伝播」は、短い宇宙ものですが、ラストにはイーガンの、というより、これこそSFの魂そのものではないかと思えるような必殺の一行が置かれて、大昔、素朴なSF少年だったときに一瞬戻ったかのような感動を味わいました。
 イーガンは、ハードSFとしてはクラークの後継者的側面をもっていると思いますが、僕としてはデーモン・ナイトに通じるような得も言われぬ「向こう側」感というか、何をどう感じればいいのか、読者を呆然とさせる世界観をぽんと投げ出すようなところが素晴らしい。ストーリーテリングも巧み、疑似科学的なペダントリーも魅惑的、キャラも立ってるし、しっとりした感動もある。早く新作、でなくてもいいから、また未読の作品が読みたいなあ、と思いました。山岸さん、よろしくお願いします。
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9 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
日本オリジナル短編集ということで、イーガンの日本での人気はよっぽど高いのだろうとは思うが、一方で「マニア向けで手強いのばっかりじゃないの?」と警戒する気持ちもあった。が、冒頭の2作はむしろ平易で、SF初心者にもオススメしたいところ。特に「クリスタルの夜」は「いかにして〈シンギュラリティ〉の成果を人類だけのものとするか」というセコいアイデアを実行に移す話で、くすくす笑いが止まらなかった。これは〈シンギュラリティ〉モノのいい変奏曲。

と、油断してると3本目から一気にハードになってくるわけだが。「暗黒整数」は『ひとりっ子』収録の画期的数学SF「ルミナス」の続編で、ハード数学SF+パニック小説であいかわらず楽しいシリーズ。それからおなじみ「ワンの絨毯」は「あれ? 『ディアスポラ』に入ってたじゃん」と思いきやオリジナルの中編バージョン。お得意の「人間のアイデンティティ」テーマにとどまらず「人類のアイデンティティ」にまで踏み込む傑作。

表題作はブラックホールに飛び込んでいくプロジェクトの話で、70%くらいは意味不明の科学用語で埋め尽くされている難敵。いや、理解するのはあきらめたけど、結果を持ち帰れない実験に意味があるのかというけっこう科学的に深い話だね、これは。

このまま「ド」がつくほどのハードSFで爆走して終わりかと思いきや、最後の「伝播」は、難しいところがいっさいなし、それでいてもっともSFマインドにズドンと来る傑作だった。この構成はずるい。いや上手い。
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4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By hp トップ500レビュアー
イーガンの作品集の中で最もハードSF色が高いとのふれこみで、確かにその通りなのでしょうが、これまでの短編集と比べてもかなり読みやすい、わかりやすいという印象です。
いいえ、決して数学理論や量子力学がわかると言いたいのではありません。

実際の理論なのか、擬似科学なのかすら全くわからないけれど、どこに理論の「キモ」をもってきているのかだけはわかる。その中で真理の追究というのが当事者にとってどんな意味を持つのかという個々の人間にかかわる命題から、人類というもののよりどころをどこに置くべきかの考察まで、実に鮮やかに際立って浮かび上がるように示されている。だから、わからないなりに、それをもとにした世界観やガジェットを小説として存分に堪能できる--その満足感がこれまでになく高いのだと思います。わからないのに、作品としてわかりやすい。

ストーリーを犠牲にしているわけではないです。むしろ逆で、ここ何冊かの作品集で感じていた人間を描きながらどこか空々しい感じが消えて、登場人物が皆チャーミングに思えるし。今まではささっと読んでいた数学的説明のセリフもじっくり味わってしまいました。
個々の作品としては本書の収録作を上回る良作もいっぱいあったと思いますが、作品集として考えるとこれまででも最高の部類かと思います。少なくとも、個人的には一番好きかもしれません。
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