第25回江戸川乱歩賞受賞
週刊文春1979ベスト10 総合1位
東栄物産西ベルリン支店の臨時駐在員 カワムラは、東ドイツ国境で発生した、義兄への銃撃事件、および、その後の自殺事件を単独調査していた。調査をすすめるうちに、商社マンとはちがった、義兄の別の顔が判明していく ・・・
1968年 プラハの春を背景としたスパイ小説とのことであるが、国家間の諜報戦、謀略戦そのものを描いているわけではない。自己の信条に突き動かされた人々の運命が語られていくので、翻訳小説にみられるような、乾いたものではなく、情緒的な印象を与える。謎解き要素はちりばめられているが、展開が読めやすいので、これを期待するとはずれてしまう(よくわからない伏線のようなものもあるのだが)。
”道化”とは何か。このタイトルの意味が、ラストに虚しくひびく。読みどころはここかなぁ。