「生きる伝説」と称されるプリンスが、相変わらず速いペースでアルバムをリリースしてくれる事に対して、純粋に“有り難い”という感情が先にきてしまう今日この頃。
20年超のコアなファンとして、このアルバムの音を聴いて思うところは色々とあります。相変わらず多様なスタイルを披露し、それでいて全ての音がやはり「プリンス」でしか有り得ないという部分は流石!と唸るしかありませんが、重箱の隅で「1. Planet Earth」が「Empty room」+「Stay of the world」っぽい…とか、「9. Lion Of Judah」が「Cinnamon Girl」の焼き直しなのでは…とツッコミを入れたくなる部分もあります。しかしキャリア30年にして相変わらずのフロンティア精神を保持し続けている事には、ただただ頭が下がる思いです。
総体的な印象として、密室的な音作りと口べたで人付き合いが不得手だった'80年代のプリンスの特徴とは一転して、太陽の日差しが降り注ぐ開放的な浜辺の空間で、多くの人々とのコミュニケーションを積極的に取ろうとする…そんなプリンスがこのアルバムには居るような感じを受けます。(特に「4. The One U Wanna C」と「10. Resolution」から感じる底抜けの明るささと言ったら!)古くからのファンはかなり違和感を覚えるでしょうが「Musicology」から始まった新たな試みがある程度このアルバムで帰着をみたのかな…そんな感触もあります。
日本のJ-POPが、手近なところでの恋愛沙汰に一喜一憂する程度の曲で溢れているのに対して、プリンスの視点は常に地球規模の「愛」に充ち満ちている…そうしたスケール感の違いを是非とも日本の若い世代の人たちに体感して貰いたいと思わせる一枚だと思います。