部屋の中に蛍光塗料の星空を作った子ども時代、技術に詳しい隣人やコンピュータに詳しい友人、電源メーカーでのアルバイト等によって必要な技術を得ていく過程、移動公演や国際会議での逸話と、本書の内容、言い換えれば著者の人生はプラネタリウムを中心に回っている。技術的な葛藤やアクシデントに見舞われることはあっても、著者のプラネタリウムへの情熱は揺らぐことがない。自宅の7畳間に作られた簡易クリーンルームから生まれた自作プラネタリウム「メガスター」は、いつの間にか人々が行列を作り、国際会議で1回のみだったはずの公演が3回になるまでの人気を博している。
徹底したこだわりとそこに人生を捧げる著者の姿は、読む者すべてを勇気づける。それは、技術大国の底力とか、その種の言い古された一般論としてではなく、企業などの集団の力とは異質の、個人のポテンシャルを再確認できる点に何ともいえない爽快感を感じさせてくれるからかもしれない。だからこそ、青少年にとってはひとつのリアルな目標となり、大人にとっては自らを再び奮い立たせるための起爆剤となってくれる。
なお、特別付録として「卓上プラネタリウムペーパークラフト」が用意されている。自分で作るプラネタリウムのささやかな感動を味わいたい。(大脇太一)
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読むきっかけはコレです。
テレビで著者の存在を知り、何かでメガスターのことを目にすれば
凄い、世界一、個人ではできないことをやり遂げた、と書いてある。
とりあえず凄いことをやった人なんだ、ということはわかるけど、何がどう凄いのかがどうしてもピンとこない。
それで読んでみました。ネガティブなことはあまり書かれてませんね。
「本当にこんなにキレイなことばかりで進んでこられたんだろうか?どこかに愚癡や批判はないのか?」と思ったけど、読んでるうち、著者の感謝の思いがめいっぱい詰ってる、と感じました。ここまでさせてくれた人たちへの感謝の気持ち。
俺は一人でこんなに頑張った的なことは一切書かれてません。
メガスターを作り上げていく経緯が、メカのことなど知らない素人でも手に取るようにわかります。
また、ただの解説ではなく、結構笑える。表現は簡素で目の前に情景が浮かぶよう。
諦めの多かった今までだけに、読んで寂しくなったけど、こういう風でもやっていけるんだっ! やっぱいいんじゃん、と確信させてくれました。
子どもには大人になることをただただ強要するよりも、自分の表現を大切にすることと、それを貫き通す意志と勇気を持つように、本人の表現の仕方を認めつつ、間違いは話し合って正しつつ、時には反対しながら接する大人になろう、と思いました。大人って難しいですね。
著者は周りの人に本当に恵まれているとも思いますが、何を聞き入れ、何をほどほどで聞けばいいのか、それを判断できる賢さもあるのだと思います。
小学校自体からひたすら物づくりが好きで、ふつうの人なら当然のようにあきらめるところでしつこくねばって何でも作ってしまう! 電源周りの勉強のために電源会社でバイトをし、投影用ドームがないと思えば家庭用扇風機でこしらえ、クリーンルームも「仕方ないので作った」と平然とのたまう。すごい。!読んでいて茫然自失の驚きの怪著。別に凝ったことは書いてないし、上段にふりかぶった哲学もないけど、淡々と「とにかく作った」ことを書き続ける本書は、あなたを感動にうちふるえさせずにはおかないであろう! と断言しよう。
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