これおもしろい!バリバリの商社マンが取締役を目前にした失策で取引先子会社へ左遷の危機。そこにふってわいた東北の地元町長への話。飼い殺しサラリーマンか破綻寸前の田舎町の長か。町長を選んだ男が町の再起を老人ホームにかける。老人集めて町起こし。
おもしろいのは登場人物たち。特に町役場にいる親友(クマケン)や町議会のドン(カマタケ)。彼らがしゃべる東北弁がたまりません。狙ったのでしょうけど、井上ひさし「吉里吉里人」のよう。町の財政破綻とか介護の崩壊とか深刻な話題がなぜか楽しくみえてくる。商社の組織、資金運用のノウハウ、地方財政、介護制度などをきちっと取材していることもわかる骨太の内容です。
ちょっと気になるのは、商社を辞めてきた町長がその商社と組んで億単位の事業をすれば、それこそ政治的に問題になるのではないかということと、建設する老人ホームがある程度以上の資金がないと入れないこと。お金がないと年も取れないのだと暗澹たる気持ちになります。
しかし、それらを補ってあまりある明るさが漂う小説です。元気になる。