実際の法人設立の仕方や、法人税と個人税の詳しい説明は他の書籍で補完すべきで、この本は、法人ってこういうものっていうことをサラッと知るための本だと思う。
既に法人を持っている人や、税に詳しい人向けではない。
金融機関が融資に積極的なときは、売却のタイミングというのはその通りで、たくさんの人が買えるときは売るときだ。
今、融資に積極的という感じは受けないが、もちろん個人や法人の財務力が高ければ融資が付く。
この本では一棟買いを勧めている。
区分や戸建ても良いが、一棟買いは入居率が100%か0%かということがない。
リスクを分散できるのだ。
一棟モノを複数、それも構造・地域・築年数を分散すれば、ポートフォリオは安定する。
後は時々、資産の入れ替えをしてリバランスしていけば良い。
私は今のところ首都圏に物件を持つ予定はないが、その首都圏でも「黄金のシックスティーン」という狙うべきエリアがあるそうだ。
地方物件については書いていないが、地方の場合は利回りの高さと返済比率の低さで勝負できると思う。
「コンパクトシティ」については、私の住んでいる富山県の富山市でも進められている。
地方でも中核となる市に投資したいし、実際、私の今後の投資する立地はそちらにシフトする。
「通行人の顔、表情」の観察というのも面白い。
確かに無意識だが、街の雰囲気というか質のようなものを感じることがある。
良い物件だけど、何となく気が進まないというときは、これが一因なのかも知れない。
「同じ間取りの部屋が複数があったとしても、全部同じ状態で入居者を募集するのでは工夫が足りません。」という観点は、今まで結果的にそうなったということはあったが、戦略的に行なったことはなかったので、盲点に気づかされた。
「ビルトインタイプの洗濯機置き場」については、今までの物件では室内に洗濯機置き場が有ったので考えたことが無かった。
検索すると、輸入物のビルトインタイプの洗濯機があるが高い。国産もあるがビルトインを前提に販売されていない。
輸入物については、賃料との相談だろう。
「知って愕然!個人と法人の税制格差」、ここからが本書のキモである。
法人を既に持っている人にとっては当たり前のことであっても、個人のみの方にとっては当たり前でないことは結構ある。
とくに違うのは「生命保険料の全額費用化が可能」になることだ。
私募債については、あるスキームが使うことができれば、頭金だけでなく、源泉分離課税で税率20%で済む。
これについては、LBOの手法と、私募債の期限を短期から長期までスライスすれば、理論的には可能となる。
金融機関がO.K.を出すかどうかは分からないが。
法人をつくる形態について、不動産保有法人を勧めてあり、私もそうしている。
管理方式やサブリース会社ではリスクがあるためだ。
最後の成功ストーリーは不要だった気もするが、「投資用の不動産は、お金持ちが買うんじゃなくて、将来のお金持ちが買うんです」というところはうなづけた。
今後、益々、法人税制は有利に、個人税制は不利になっていきそうなので、モノは法人に、お金は個人にというのがベストだと考える。
不動産も持ってみないとメリット・デメリットも実感できないように、法人も創ってみないとメリット・デメリットは実感できない。
私が、今、ゼロから不動産投資(賃貸業)を始めるとしたら、最初に法人を創るだろう。
不動産保有法人について知るための入門書であり、これから不動産投資(賃貸業)を始める人や、個人で物件を既に持っていて所得税率が23%を超えそうな人にオススメする。