一般的な行動経済学の本でいくつかある話も他書で見られたものも多い。
この分野にある程度通じている人は得るものはほとんどないと思う。
じゃあ、読む価値がないかというとそうでもない。
プロスペクト理論でおなじみのダニエル・カーネマンとエイモス・トヴァルスキーについてが詳しい。トヴァルスキーの話は必見です。トヴァルスキー研究については他の行動経済学の本でもあるけど彼自身の人柄や家庭、まわりの評価、カーネマンとの出会いについてなど自伝的要素の話が面白かった。
13章のカーネマンとトヴァルスキーの戦争のエピソードが面白い。
心理学者といえば研究に没頭しているのがほとんどだと思っていた。
トヴァルスキーは1956年のスエズ戦争の時、イスラエル軍落下傘部隊の小隊長だった。
その時、ひとりの兵士が有刺鉄線爆破の支持を受けた。爆薬をしかけ、ヒューズに点火したとき兵士はパニック発作を起こし体が動かなくなった。トヴァルスキーは、上官の制止する叫び声を無視し、動かなくなった兵士を安全な場所まで引きずった。
爆薬が爆裂したとき、その兵士にはカスリ傷ひとつなかった。
しかし、トヴァルスキーの体には破片がいくつも食い込み、生涯それらは残った。
これを読んだ時、こんなカッコイイ心理学者がいたのかと、感動した。
行動経済学の本としてより、トヴァルスキーやカーネマンの人となりについてがよかったです。