”マリア・カラス、ジュゼッペ・ディ・ステファノ、ティト・ゴッビ、そしてヴィクトル・デ・サバタ指揮のミラノ・スカラ座管と合唱団。一九五三年に録音されたこのプッチーニの<トスカ>全曲に対して、批評という行為は全く空しい。この演奏はオペラ録音として百年に一度生まれるか否かというレヴェルの、圧倒的名演奏である。それはもうこのオペラの理想像であり、規範的解釈である。デ・サバタはイタリア的な造型美、ドラマの熱気、プッチーニのオーケストレーションの大胆さと繊細さ、そしてプッチーニならではのカンタービレとその内に漲るドラマを余す所なく描き出す。しかも歌手の個性を十全に生かしつつ。ドラマと音楽との関係を伝統の中でデ・サバタほどに煮つめきった指揮者はいない。この演奏は、いわば、「永遠のスタンダード」である。カラスのトスカの心理描写、役柄に対する果敢な自己投入もまた、この役随一にして唯一無二の演唱を示している。このカラスに対しディ・ステファノのカヴァラドッシは、ひたむきな情熱を獲得している。そしてスカルピア役のゴッビは、千変万化する音色を駆使して、トスカとカヴァラドッシ(そしてスカルピア自身)を破滅に導いて行く。指揮、主役陣がこの<トスカ>ほどに揃って高水準なオペラ録音は決して多くない。録音こそ古いが、二十一世紀に残すべき名盤のひとつであろう。”
以上、音友の「クラシック不滅の名盤800」、究極の100タイトルのP.58ページ、國土氏のコメントです。
そんなに褒めちぎってあると、コレ以上のモノを探したくなりますが、今のところナイですね(笑)。ドラマと音曲が渾然一体となり究極のオペラ「トスカ」を造り出しています。
ただ、キレイにデジタルリマスターされてはいますが音質が微妙に古さを感じさせます。