昨年来日されたブータン国王の言葉は、日本人にとって素晴らしい贈り物となりました。
日本人とよく似た顔、着物に似た民族衣装の国、くらいの認識しかなかったブータンに対して、国王来日とともにテレビなどで大きく取り上げられるようになった「GNH(国民総幸福量)」についても興味があって、この本を手に取りました。
「GNH」というものがどのように追求され、実際に国民の幸せとはどんなものなのか、というのが一番興味がありました。幸福の定義は人によって変わるはずだと思ったからです。
国の目指す幸福と国民の欲する幸福は本当に一致するのか、それは経済や国際関係とどう折り合いをつけるのか、「GHN」という考えは素晴らしいけれど、現実には問題もあるはずだ、という思いもあって読んだのですが、そういう点についても著者の見たブータンの姿が礼讃でも否定でもない、経営コンサルタント会社に勤めていた若い女性の、バランス感覚に優れた冷静かつ暖かい視点で書かれていてよくわかりました。
この本のタイトルにもある「これでいいのだ」という言葉のエピソードもとてもいいと思います。
肩の凝らない読みやすい本ですが内容は濃いので、ブータンに興味を持った方もそうでない方も、ご一読をお勧めします。