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ジャンルは違うけれども、モダン芸術の一派にモビールを使った作品が現れたように、文学がさまざまな印象的なきらめきを読者に与えて通り過ぎるプリズムのようなものだと考えることができる。久野ははじめからこれを意識していたのであり、自分の内面をつらつらと垂れ流して共感を求めるような感傷を持たなかった、と解釈すべきなのかもしれない。こう考えると、文学でありながら非文学的な<距離>を獲得した久野の文学は、今日から見ても奇妙に新鮮である。ただし、彼の後を追うことは容易ではないはずだ。
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