第一部は新聞界とブログの両方に詳しい、ネットの世界では有名な三人の現役または元記者が、ブログ・ジャーナリズムの可能性について議論した座談会記録。ジャーナリズムとしてのブログの捉え方については、決して三人の意見が一致しているわけではなく、興味深いやりとりが繰り広げられている。
ただ、ブログと比較している「ジャーナリズム」が実際はほとんど新聞のことを指しているのが、気になる。ジャーナリズムにはテレビもラジオも週刊誌もあると思うのだが、そこまで議論の幅が広がっていない。参加者の経歴を考えればやむを得ないかもしれないが、ジャーナリズムをもう少し大きく捉えても良いのではないであろうか。その点を第二部の別の座談会記事がある程度補完しているが、ページ数が少ないのが残念だ。
いずれにしても、著者の一人である藤代氏が言うように「ネットのコミュニティーというのは、まだまだ分断されている。だからマスに影響しない。」というのが現状だろう。今のところはまだ狭い付き合いの仲良しクラブ的な要素の強いブログ界が、ジャーナリズムとして自他共に認める存在になるには、時間がかかりそうだ。その日が来たときに、改めてブログ・ジャーナリズムを総括してもらいたい。