「オリジナル劇場版」「インターナショナル劇場版」「」ディレクターズ・カット/最終版」の3つのヴァージョンが一枚におさめられた画期的なDVDだ。
「シームレス・オールインワン」のコンパクトさや「廉価版」に加え、最終版初リマスターというセールストーク(ジャケット)にも惹かれた。
確かに画質はかなり向上しているようだ。
以下、作品概要。
レプリカントと呼ばれる「人間型ロボット」の反乱、ロボットが感情を持って人間を襲うというシチュエーションには後(1984年製作)の「ターミネーター」との類似もあるが、ストーリーはゴタゴタしてなくて分かり易い。
レプリを"匹"と数える冷酷な人間より、仲間を思いやるレプリの方に人間味が感じられたりするのもこの作品の真骨頂。
移殖された幼い頃の家族の記憶によりレプリに感情が芽生えるくだりなど、核家族化により家族関係が希薄になった現代人へのアイロニーも、巧みに仕掛けられている。
ハリソン・フォードはレプリを処刑する「ブレードランナー」役、「スター・ウォーズ」のソロ船長役を経てまさに脂の乗り切った時期の当たり役。
ターミネーターを彷彿とさせる男性型レプリ、ルトガー・ハウワーのパワフルな存在感、しっとりとした女性型レプリ、ショーン・ヤング、それぞれ好演である。
SFというジャンル上CGへの依存度が高いのはやむを得ないところだが、実写もたくさんあり、決してコテコテのCG漬けではない。
ヴァンゲリスの音楽は期待どおり美しいが、インパクトでは「炎のランナー」に及ばない。
3つのヴァージョンで大きく異なるのはエンドシーン、両「劇場版」のエピローグにはいかにもとってつけたような違和感がある。
未来のない二人の人生が暗示されたまま終わる「最終版」のほうが引き締まっている。
各ヴァージョンに対する監督のイントロダクションはそれぞれ僅か1分だが必見。
特に最終版のものは映画を見た後でそれだけ別に見るほうがいい。
原作に対するリドリー・スコット監督の解釈が面白い。
未来都市の俯瞰シーン、人間社会とレプリカント社会との二重性など、いたるところでフリッツ・ラングが監督した伝説のSF古典「メトロポリス」に、限りないオマージュが捧げられている。
「メトロポリス」なくしてSF映画は語れない。SFファンの方なら見比べてみる価値は十分ある。
とはいえ、すでに「ブレードランナー」も伝説になりつつあるのか、、、。