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28 人中、27人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
大人でも,
By donchan (東京都新宿区) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: ブレイブ・ストーリー (上) (角川文庫) (文庫)
宮部みゆきさんのあらゆる著作を愛読している私ですが、この本だけは「子ども向け」なのかと思い避けていて、今回文庫化・映画化されたのをきっかけに手に取りました。なので、まさかこんなにも大人が胸をしめつけられるような本だとは予想していませんでした。確かにストーリー展開だけ見ると奇想天外でファンタジーだと紹介されるのは分かります(著者自身も以前にどこかで実在のテレビゲームから発想を得たと書いていました)が、この本の奥深くには現代社会のどっしりと重いテーマが横たわっています。「本当に恐いのは、怪物でも魔物でもなく人間の心」だということを主人公の亘(ワタル)の目を通して読者に実感させてくれます。 私は、またもや著者の筆力にはまってしまい、つらい試練にワタルがもがき苦しむ姿に涙し、また、よき友を得て喜びも勇気も分かち合うワタルの姿に安堵を覚えました。すっかり感情移入させられていました。これが「子ども向け」なわけがありません。 宮部みゆきさんの大人のファンの期待も裏切らない本だと思います。
7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ただのファンタジーじゃない,
By
レビュー対象商品: ブレイブ・ストーリー (上) (角川文庫) (文庫)
映画観て面白かったのですが、最近やっと読む機会ができたので読んでみました。映画は純粋にファンタジーといった感じ。 ではこちら小説はというと、ファンタジーというよりは、ファンタジーという舞台を利用した現代社会のさまざまな問題点を描いている気がします。 親の離婚問題、無理心中、自分勝手な大人の振る舞い。 そしてその現代を生きるワタルはとてもちゃんとその大人たちを見ていて、私が思っていた以上にずっといろいろなことを考えている子どもです。 ワタルが父や母に問いかける言葉はあまりにも飾り気がなく、真っ直ぐすぎて胸に突き刺さるようです。 なんて残酷なドラマなのだろうと思わざるを得ません。 「幻界」に行ってからも、ファンタジーという世界観をしっかりと表現しつつ、その中で起きている北の帝国との隔絶や宗教問題、種族差別など、現代社会の問題点をしっかりと描いていて、その上で子どもなりの回答を出していくワタルがとても格好いいです。 しかし子どもの感性には驚いてばかりですね。「どうして?」という疑問のキモチなど、久しく忘れていたと思います。 実は私、ファンタジーものは苦手で指輪物語など1巻目の半分くらいで投げたくらいですが、これは本当に面白いです。 ページがサクサク進みます。是非手に取ってみてください。
20 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
映画から入りました。,
By ブアカーオくん (東京都練馬区) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: ブレイブ・ストーリー (上) (角川文庫) (文庫)
「宮部みゆき氏の著作」という入り口でなく、「映画を見てから原作へ」という経路で本作にたどり着きました。映画で語ることの出来なかった数々の伏線(かなり重大なものもあります)や、 ワタルのおかれた状況と彼の心理描写、ワタルの周囲の人物像などが詳しく描かれているため、 説明不足であるが故にしばしばストーリー展開に唐突感を覚えた映画版に比べて、 一層深く感情移入できる作品になっています。 特にワタルに関しては、映画で感じる「素直でかわいい少年」という第一印象のみならず、 彼の内部で展開されていた苦悩・葛藤を知ることができ、一層親近感が湧きます。 上巻は「ワタルがなぜ旅立たねばならなかったか」について語ったパートです。 映画を見て、今ひとつ食い足りない印象を持った方にはぜひおすすめします。
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