私が無人島に持っていくDVDを1作品だけ選べ、と言われれば本作になるでしょう。余談ですが、私の記憶が正しければ、米国の傑作TVドラマ「ロズウェル」の中で主人公の1人がガールフレンドにこの映画の素晴しさを熱く語っていた場面がありましたが、男なら主人公ウィリアム・ウォレスのように生きたい、と思うこと間違いなしの名画中の名画です。戦闘シーンの迫力、中でも自軍を鼓舞して士気を高めるウォレスの行動の素晴しさ。そういった名シーンを一々数え上げていけばきりがありませんが、ラストで主人公がFreedomと叫ぶクライマックスに向けて盛り上げていく演出の巧みさは本当に見事。何度観てもこのあたりから最後ハミッシュの投げた剣が野に突き刺さるまで、私は涙なしに観ることができません。脇役も達者揃い。代表的な人だけ挙げると、スコットランドの貴族として父のつきつける現実とウォレスの理想との間で揺れるロバート・ブルースを演じるアンガス・マクファーデン。そして女優では何と言ってもソフィー・マルソー。フランスから嫁したイギリス皇太子妃としての毅然さを保ちつつ、ウォレスに惹かれ、恋に目覚めていく様を見事に演じています。ウォレスとの愛を確かめた後、充実感に包まれて一人歩きながら浮かべる笑みは実に魅力的です。付言すると、本作の冒頭でウォレスの真実を語ろうとナレーションが入りますが、現実の歴史ではソフィー演じるイザベルが皇太子妃となるのはウォレスの死後なのです。しかし、そんな史実との相違なんて気にしなくていいじゃないですか。この3時間に亘るドラマに身を委ね、至福の時間を過ごしましょう。