理数系イコール難解イコール不要。その典型が昨年の事業仕分けだと、
筆者の竹内氏は書く。
それに対する危機感からこの本を上梓したとも書いている。
その思いは、私も同様だ。昨年のスパコン切りの場面には耳を疑った。
この人達は、日本の未来を作る気がないのだと思った。
日本の生き残る道は、科学技術にしかないのに。
一つの発見や発明が、何兆円という市場を作り出す事すらあるのに。
有名なips細胞の話も登場する。量子コンピューターやミューオンによる
火山・溶鉱炉等の透視、物理の基本定数は複素数などなど、
常識なんてぶっ壊れるような話がどんどん出てきて、ワクワクする。
日本人の手で切り開かれていく世界の凄さにも感動するし、
人類に対する貢献も誇らしい。11話を一気に読んでしまう面白さだ。
しかし、彼らの功績は、ほとんど彼らの情熱と、工夫によって成立している
ことが、悲しい。
これからの日本を支える科学者に、正当な待遇を与える事を真剣に
考えないと、未来は暗いという怖さも感じた。
そんな事にも気づかせてくれた本だ。