21 人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
「ドラマ」の力。TVでもここまで出来るのだ。, 2010/3/22
レビュー対象商品: ブレイキング・バッド Season1 DVD-BOX (DVD)
悪性の癌の宣告を受けた高校の化学教師、ウォルター・ホワイトは身重の妻と障害を持つ息子の為に金を残そうと合成ドラッグの製造に手を出します。
彼のパートナーとなるのはかつての教え子で現在は覚醒剤の売人ジェス。
豊富な化学知識と技術に長けたウォルトの手で精製されたブツは極めて純度が高く莫大な「商品価値」を生むのですが
二人はやがて否応なく危険なストリートの駆け引きに巻き込まれて行くことに・・・。
バラエティ豊かなアメリカのTVドラマ界においても流石に本作はかなりの「異色作」。
これほどリスキーなお話でありながらもコメディタッチで「逃げ」を打つことなく「真っ向勝負」。
どう考えてみても楽しいお話になる筈もないのだが登場人物たちに強力な引力があって目が離せなくなってしまいます。
基本はどシリアスな人間ドラマなのだが、時にコメディ、またある時はサスペンス、はたまたクライムドラマと
まるでローラーコースターのように局面が変化してゆきます。
ところが恐ろしいことにいささかも破綻を感じさせません。
そのタッチはもしコーエン兄弟が連続TVドラマを作ったならおそらくこういう雰囲気の作品になるのではないかと思われるもの。
主演のブライアン・クランストンが本作で2年連続エミー賞を受賞したこともあって人気は依然として上昇中です。
本作の主要テーマはアメリカのシリアスドラマの全てが常にそうであるように「モラル」です。
良き家庭人であり善良な人物であるウォルトは止むに止まれぬ理由からドラッグビジネスに手を出すのですがその結果、予期せぬ事態が次々と発生。
その中で彼がどう行動し、どのような選択をするのか。彼の置かれている境遇が同情に値するだけに意外なほどサスペンスが身近に感じられます。
しかし最大の見どころは次々と降りかかる危機に直面するウォルトがそれまでの只の物静かな男からじわじわとタフでしたたかな本性を浮かび上がらせてゆく様。
自分とジェスを殺害し「商品」を奪おうとした売人や凶暴な大物ディーラーとの対峙シーンにみなぎる緊迫感やそれに続くショッキングな展開からは目を逸らせなくなってしまいます。
クランストン氏の演技は見る者を時に戦慄させるのですが、それでいて決して主人公への親近感を失わせない見事なバランス感覚とニュアンスを体現しており唸らされます。
決して気楽に観れる作品ではありませんが完成度は極めて高く、これぞ正に「大人のためのドラマ」。
本国ではまさかのシーズン3突入となっております。
12 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
圧倒的としか言いようがない。, 2010/6/27
レビュー対象商品: ブレイキング・バッド Season1 DVD-BOX (DVD)
海外ドラマと聞いて、「24」や「LOST」などを思い浮かべてはいけません。
既存の「連続ドラマ」とはまったく異質の、まるで長い映画を観ているような
新しいメディアの誕生なのかもしれません。
圧倒的インパクトでスタートし、圧倒的なドラマの深みがあり、圧倒的な
カタルシスでシーズン1は終了します。
脚本に舌を巻き、演出の妙に唸り、役者の演技力を堪能する。
さらに、なんだかおそらく、世界共通であろう、現在の「リアル」を、
提示してくれている。
これは、無駄に長い所謂「海外ドラマ」ではなく、まったく異質の傑作なのである。
そして、ドラマにする(話を長くする)必然性があり、中だるみなどはゼロである。
すべてにおいて、他を圧倒する、確固とした個性が爆発している作品だ。
8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
地上波では無理, 2010/6/24
レビュー対象商品: ブレイキング・バッド Season1 DVD-BOX (DVD)
という触れ込みで、地下鉄の車内広告に出ていたのが気になり視聴してみました
たしかに地上波は無理でしょうね
日本でもAKIRAなどで一時期話題になった、市販の風邪薬から作られるドラッグ、通称「メス」が本作品のキーアイテム
ガンによって余命僅か、障害のある息子を抱えた高校の化学教師と、その元教え子で今は麻薬の売人をやっている男が、金を稼ぐためにメスの精製をするというのが毎回の基本骨子になっています
本作品の魅力は確かな化学知識、アンダーグラウンドな世界のスリルを基にしつつも、あくまで描いているのは「人間」だと言うところでしょう
主人公の義弟が麻薬捜査官ということもあり、罪の意識、また、自身の病気による家族との人間関係の亀裂に悩む主人公の葛藤が縦軸、横軸の糸となって全編を貫いています
7話のみの収録ですが、シーズン2のDVD化も確定していますし、今後も非常に期待のできるドラマだと思います
ただ、惜しむらくはブルーレイ化されていない点
せっかく最近のドラマなのだから、美麗な映像で楽しみたいというのが個人的な感想です
また、この作品に限ったことではないが、ブックレットが少々チープな点マイナス要素
よって星をひとつ引き、☆4としました