下巻で丁寧に記述されているのは、イラク戦争の参戦についてのやり取りと、現在の視点からの見解についてである。ブッシュとのやり取り、関係者とのやりとりが記述されている。また、結果的に犯した誤ちと、「もしあのようにしていなかったらどうだったか」という反駁がある。決して逃げず、真摯に書いている。
日本について言及している箇所は1つあった。英国でサミットを開催した際、小泉首相が冗談を言って盛り上げていたという記述である。日本についての認識はこの程度か、とがっかりしたが、考えてみると、本書全体として、ブッシュとクリントン以外の他の首脳について記述している箇所はほとんどない。もしかすると外交上の配慮から記載を避けたのかもしれないが、寂しい思いがした。とにかく、米国との親密なやりとりが目立っていた。
最後に本書の編集について。最後に訳者解説があり、索引もあるが、できれば年表を入れてほしかったと思う。
欲を言えば、本書ではほとんど触れられていない「第3の道」「ニューレーバー」の解説なども。それは他の本を読むべきなのかもしれないが。