この危機的状況を伝えるドキュメンタリーは「不都合な真実」のような決して派手な演出はないので目立たない部類になりますが、ぜひ知ってもらいたい現実だと思いました。近年日本全国各地の水源地を中国の企業が買いあさっているニュースを目にしたことがありますが、それほどの危機感を感じませんでしたが本作を見て考えが一変しました。本作では発展途上国の水の権利を先進国のいち民間企業が独占し、コカコーラよりも水の値段の方が高い国など信じられない状況を紹介しています。ボリビアでは水の権利が民営化されたことで、国民は雨水を集まることさえ禁止され、水の値段も高騰。本来雨が降ったら地に浸透し、水は循環していかなければいけないのに、コンクリートで固められる都会だとそのまま下水から流れて海に流れてしまう。ここで思い出したのが脱ダムです。ダムは膨大な量の水を堰止めますが、水は澱んで水銀が広がり地には浸透しません。温泉天国の日本では大量の地下水をくみ上げていますが、これもいつ枯渇するかわからない。耳が痛い問題でできれば避けたいとは思うかもしれませんが、これは現実に直面する危機的な問題で、個人個人が水を大切に使うきっかけになればとぜひおすすめしたい作品です。