表紙も涼しげで、夏にぴったりです。
オーストラリアの大自然の中、二人で暮らす母と子。毎日海にもぐり、自然の恵みを感じながら満ち足りた生活を送る少年、エイベルは、海底で巨大な青い魚に出会う。エイベルは、その魚に魅了され、ブルーバックと名づけた。やがて、成長したエイベルは、もっとブルーバックのこと、海のことを知りたいと勉強し、ついに海洋学者になる。一方、母が一人で守ってきた故郷の入り江には、さまざまな困難がやってくる……。
人はただ、シンプルに生きれば幸せになれるのに、何をそれほど望むでしょうか? どうして恵みをくれる自然を守れないのでしょうか? 例えば海辺の何もないところで、一生暮らせといわれたら、どうでしょう。
これは、たくましい母、ドラが入り江を守るためにした決断と、その意思を継ぐ海洋学者である息子の姿が、さわやかに、そして静かに描かれた作品です。生命、自然、本当の豊かさとは……。いろいろ考えさせられる読物です。子どもむけですが、大人が読んでもいいと思います。