絵本のほとんどを覆っている帯に全てが描かれていると言っていい!
というのは半分冗談ですが、実際中身の濃い帯であることは確か。
ナチスの強制収容所で子どもたちが演じたオペラに基づく作品であること。
今、公開中の映画「かいじゅうたちのいるところ」の作者の最新刊であること。
裏には作品の歴史的背景が丁寧に解説されていること。
これらは中身には明記されていません。もしこの帯がなかったら、本書を手に
取ることもなかったでしょうね。絵もやや古い感じですし、タイトルも意味不明。
ただし、中身を読めば、好むと好まざるとにかかわらず悲しい史実に直面する。
もとになったオペラは収容所で、なんと55回も演じられたとのこと。
未来への希望を子どもたちへ託すメッセージが込められていただけに、
彼らのその後の運命を考えると複雑な気持ちになりました。
本書のメッセージは今の子どもたちが正面から受け止めるには重すぎる。
しかし、大きくなって再読したときに、ズシンと心に響くことでしょう。