この本の原著が2002年に出版され、2006年になってやっと翻訳されたこと、そしてもう一冊の有名なブルックス教授の著作Cambrian Intelligenceは1999年の出版なのに、いまだに邦訳されていないことが不思議で仕方ない。その理由が「日本のロボット・人工知能研究者のほとんどが英語の原著を読んでしまっているから」だとは到底思えない。ブルックス教授がSA理論によって一介の助教授からMITコンピュータ科学・人工知能研究所の事実上のトップとなった今でも、実は日本人ロボット研究者の多くが彼の本や論文をちゃんと読んでないんじゃないか?と思うのは僕だけだろうか。その意味で、このブルックスの日本初の翻訳本が出たことはおおいに歓迎すべきことだと思う。
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<br />なにもブルックス礼賛をしたいわけじゃない。しかし、僕が見るところ日本のロボット研究はブルックスを未だに越えられていない。天外氏は朝日新聞の書評で日本はSAをあっという間に乗り越えて先に行ってしまったと言っているが、とてもそうは思えない。それは例えば、日本の多くの電気メーカが掃除ロボットの開発を続けてきたにも関わらず、後から参入したiRobot社(ブルックス氏がCTO)が出した掃除ロボット「ルンバ」が、その安さと性能を理由に現在も圧勝を続けている事実からも明らかだ。未だ日本人ロボット研究者・開発者のほとんどが、ブルックスの言う「呪縛」から抜けられていない。ブルックスのアイディアと哲学を十分に消化して、越えていかなければならないと思う。
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不適切と思われる訳があるためマイナス星一つ。