「事実は小説より奇なり」といいますが...。
ときに本当におかしなことが現実におこります。本作品の「とっかかり」は実際のできごとだったそうです。
ブニュエル監督は「とっかかり」を奔放なイマジネーションで、奇妙なリアリティへと昇華させてしまいました。
「アイロニー」や「死の陰」を持ちつつも何というか...早い話が可笑しいのです!!!
六名の主人公と思しき人たち...。
どうにもこうにも食事にありつけません!カフェではお茶すら出てきません!
何故だか必ず邪魔が尋常じゃない邪魔が、これでもか、これでもかと手を変え品を変え入ります。このあたり、ブニュエル監督の(意地悪さの)真骨頂です。奇想天外ではあるけれどあり得なくはないという程よいさじ加減。
「それはいくらなんでも...。」なところは、監督「これは誰それさんの夢でした!」と逃げちゃいます(笑)。
満たされない思いに、一行はジタバタしつつもどこか「取り繕うさま」もまた可笑しくて...。そんな中、フローランス(ビュル・オジェ、一番若くて小柄な女性です。)ただ一人、ほんの少し正直。その正直ぶりに周りはいくぶん当惑気味。そんな彼女の「(プチ) アンファン・テリブル」ぶりは可愛らしくて好きですが、ほんの味付け程度で状況打破のパワーはありません!
かくして六名は束の間の休息もなく、どこへ行くともわからない道を歩き続けるのです。この繰り返し挿入される印象的な場面(いろいろ解釈はあるようですが)、私は彼らの後ろ姿に「Good Luck!」とエールを送りたくなってしまいます(親しみを感じてしまったから...)。終わってみれば、「全て夢でした」とも言えます...。
※【道を歩くシーン】について、かなり独断的、かつソフトの「解説」を無視したレビューと思いながらupしましたが、後日ブニュエルのインタビュー集を読みましたところ、そんなに外れていない事が判明。ホッとしました...。