私は「ブリタニック」を観てからDVDでディカプリオの「タイタニック」を見ましたので類似品のような印象は全くありませんでした。
本船はホワイト・スター・ライン社の3姉妹「オリンピック」「タイタニック」に続く3番目の豪華客船「ブリタニック」として建造されましたが第1次世界大戦が勃発したので病院船として海軍に徴用されました。
映画のはじめに実写で陸海空の戦場風景が流れますのでどのような時代の話なのかがわかるようになっています。
(奇抜なシルエットの戦車やガスマスクを装着した歩兵、女工さんなどが出てきますよ)
ストーリーは病院船「ブリタニック」の船内に隠されている大量の武器と弾薬がカイロまで輸送されるのを阻止しようとするドイツの諜報機関と彼らの陰謀をくいとめる任務を与えられた英国側の女性諜報員の死闘とロマンス物語です。
ミス・キャンベルが片方の手に拳銃を構えてもう片方の手でロングスカートをつまんでデッキを走る姿やガラスの破片が頭に降り注ぐ中で拳銃を構えて射撃の機会を待つ姿は超人的な技を持つ(男性にとっては)美形の女性が活躍する映画に見慣れている私には新鮮に映りました。
ルイス・ギリシア大使夫人の子供たちの家庭教師として「ブリタニック」に便乗する英国陸軍諜報部員ミス・キャンベルのモデルとなったヴァイオレット・コンスタンス・ジェソップさんは1912年の豪華客船「タイタニック」の遭難から生還して4年後の1916年にも姉妹船の「ブリタニック」で沈没に逢いました。
彼女はこのときの脱出の際、「ブリタニック」の船尾が持ち上がって露出した回転する巨大スクリューに巻き込まれて重傷を負いました。
彼女は諜報員ではありませんでしたがこのほかにも大型船の海難事故に遭っています。
この映画のもう一つのテーマ「男性と対等の女性の権利」「男尊女卑」が映画の中で見られますが、ビクトリア時代の因習から抜け出せない英国ではミス・キャンベルのような女性たちが「地位向上」の社会基盤を地道に築き上げていったのでしょうか?
女性が男性の仕事だった公職や軍隊に本格的に参加できたのは20年後の第2次世界大戦からですが、これはその精神が着実に次の世代の子供たちに受け継がれていた証しだとおもいます。
映画の中で「陸軍のビクトリー号です」というセリフがありますがこれは「HMSビクトリー」ですから「英国海軍(国王陛下の)」の略です。
実際の訳はただ「ビクトリー号です」だけでよいのではないでしょうか。
私はこの映画が好きなのでくどいようですが見どころはたくさんあります。