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7 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
「権力を握って愛するものは愛されず、愛されるものには権力がない」,
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レビュー対象商品: ブリタニキュス ベレニス (岩波文庫) (文庫)
前作「フェードル/アンドロマック」が気にいった人にとっては待望の続刊です。「フェードル/アンドロマック」では、全396ページのうち本編は260ページ。約3 分の1を訳注・解説ページが占めていました。それが今回は全530ページ中、本編が 283ページ、訳注が112ページで解題・解説が135ページという、本編以外が実に半 分近くを占めるという清水愛理さんっぽい文庫になっております。 このニ作品は「権力も人間の欲望の対象に過ぎない」とし「権力の意思までも、恋 の欲望と同じく人間を捉えて話さず、彼を破滅に導く情念として描こうとする」ラ シーヌの傑作悲劇です。だから、これはメロドラマじゃないんですよね。男女の恋 バナという形式をまといつつも、その実描いているのは「人間の共通の弱さに焦点 を当てた人間の情念の劇」なわけです。 訳者の渡辺守章氏の力量とあいまって、文庫としては破格の出来になってます(岩 波文庫版ケインズの「一般理論」と同レベルの出来)。好き嫌いがはっきり分かれ ると思いますけども。ちなみに、両作品とも舞台で使われた日本語台本だそうです。 [ブリタニキュス] ブリタニクス(ブリタニキュス)はローマ帝国第四代皇帝クラウディウスの実子。 クラウディウスの養子となった義兄のネロ(劇中は「ネロン」ですが)によって暗 殺されたとされるエピソードを戯曲化。悪へすすむことを決心し、真の怪物となる ネロを描きます。 [ベレニス] ティトゥス(ティティス)は、ユダヤ人の反乱を平定する(ユダヤ戦争)した際 に、ユダヤ王家の一族に連なるベレニケ(ベレニス)と恋に落ち、彼女はティトゥ スの愛人となりました。その故事をもとに書いた作品です。
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