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ブリキの太鼓 (池澤夏樹=個人編集世界文学全集2)
 
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ブリキの太鼓 (池澤夏樹=個人編集世界文学全集2) [単行本]

ギュンター・グラス , 池内 紀
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 3,150 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容紹介

3歳で成長をやめたオスカルが、ブリキの太鼓の連打にのせて語る、猥雑で奇怪、寓意と象徴にあふれた物語。ノーベル賞作家の代表作、待望の新訳決定版。映画化。

〈ぼくがこの作品を選んだ理由池澤夏樹〉
「ブリキの太鼓」
社会、あるいは世界、ないし現代史を見る特権的な視点がある。この小説の主人公オスカルは、3歳で身長の伸びを止めることでその視点を手に入れた。彼は戦後の猥雑なドイツを下から見上げながら、斜めに渡るように生きる。こんなうまい設定はないと感心する。

内容(「BOOK」データベースより)

今は精神病院の住人オスカルが、ブリキの太鼓を叩きながら回想する数奇な半生。胎児のとき羊水のなかで、大きくなったら店を継がせようという父の声を聞き、そのたくらみを拒むために3歳で成長をやめることを決意したオスカルは、叫び声をあげてガラスを粉々に砕くという不思議な力を手に入れる。時は1920年代後半、所はバルト海に臨む町ダンツィヒ。ドイツ人、ポーランド人、カシューブ人など多くの民族が入り交じって暮らすこの港町は、長年にわたって近隣の国々に蹂躙されつづけてきた。台頭するヒトラー政権のもと、町が急速にナチズム一色に染められるなかで、グロテスクに歪んでいく市井の人々の心。狂気が日常となっていくプロセスを、永遠の3歳児は目の当たりにする。ナチス勃興から戦後復興の30年間、激動のポーランドを舞台に、物語は猥雑に壮大に、醜悪に崇高に、寓意と象徴に溢れためくるめくエピソードを孕みながらダイナミックに展開する。『猫と鼠』『犬の年』とあわせ「ダンツィヒ三部作」とされるノーベル賞作家代表作、待望の新訳決定版。

登録情報

  • 単行本: 628ページ
  • 出版社: 河出書房新社 (2010/5/14)
  • ISBN-10: 4309709648
  • ISBN-13: 978-4309709642
  • 発売日: 2010/5/14
  • 商品の寸法: 19.4 x 13.6 x 4.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 207,407位 (本のベストセラーを見る)
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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
編者も訳者も、本作についての解説を書いているが、
内容を解釈する手掛かりにはならない。

含意たっぷりの寓話は、一筋縄で説明するのは難しいのだろう。
あるいは理路整然と象徴解釈をほどこしてみても、
何もわかったことにはならないのかもしれない。

細かい描写をあれこれ詮索するよりも
グラスの世界に浸り切り、
オスカルの五感を体感する方がずっといい。

いちいちページを振り返ることはせず、
一気に読み切る気概で挑まなければ、
難解さと狂気の前に挫折する可能性は高い。
体感する物語であり、読後、ふつふつと湧き上がる高揚感は
今でも続いている。
このレビューは参考になりましたか?
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本|Amazonが確認した購入
いやー、長い、長いね。なかなか重厚な分量だった。
一編の長編小説というよりは、小話の集合体といった体。ドラえもんの単行本みたいなつくりというとわかりやすいのかな。
だから、ぐいぐい物語に引き込まれていくというより、1つ読んでは終わってまた1つ読んでといった読み方。
読書の波に乗るのが難しかったが、1つ1つはとてもおもしろい。訳はとても軽快でわかりやすかった。

大人になると食料店の跡継ぎにさせられてしまうからと三歳で自ら成長をやめた主人公オスカル。
ずっと三歳児だから、オスカルはモラルの外にいることができた。
つまり、「いい/悪い」ではなく「好き/嫌い」ですべてを判断する。
親の不倫も、ヒトラーも、共産主義も、すべて「好き/嫌い」で判断する。
時代ごとによって変わる「いい/悪い」に囚われた大人たちを子供の無邪気さで容赦なくぶった切っていく。
「ねえ、どうやって子供って生まれるの?」と親に問うような無垢でラディカルなスタンスで社会そのものに問うていくのだ。

この作品は書き手、作る側の人に特に人気のある作品でもある。
ぼくも作り手の端くれとして書かせてもらうと、これはもう設定が見事というしかない。
この設定、お借りできるならばぜひともどこかで貸してほしい。
「三歳で成長をやめる」というちょっと変わった設定をつくることにより、
世界の見え方をがらりと転回させ物語が次から次へと生まれていく。
著者グラスの半自伝的作品をこんなユニークな設定で描くから、暗い時代の暗い自伝が暗くならずにユーモアが生まれる。
主人公が普通の人間ならば湿っぽく、切なくなるだろう話を徹底的にユーモラスに、シニカルに描けたのだと思うわけである。(池澤夏樹の解説とどうも似ているが決してパクったのではなく、解説を読む前にこう思いついたのでお許しを)

巻末で訳者池内紀が物語の背景となったナチスドイツを丁寧に解説している。
ナチズム突入前のドイツが残念なことに今の日本とそっくり。
こりゃやばい時代に突入しちゃうかもしれないね。
きっと、もう日本のオスカルはどこかで生まれていて和太鼓たたきながらガラスをぶち壊しているに違いない。
混沌とした時代を生きるのに必要なのは、自分の「好き/嫌い」に従う心、と、ユーモア。
オスカルの太鼓のリズムはそう言っている。
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By hamachobi トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:単行本
池澤夏樹の責任編集による世界文学全集の1冊。
この有名な小説については、その題名も知っているし、映画化された際には観たこともあるし、ギュンター・グラスがノーベル文学賞を受賞したことも知ってはいたのだが、いまごろになって初めて読んだ。

映画化された際は、アカデミー賞を受賞したりと評判になったのだが、当時、中学生、高校生の自分は、その良さほとんどわからず、この小説自体の興味もほとんど持たなかったのだが、その後、グラスの過去の武装親衛隊所属問題などによって改めて関心を持つようになり、この全集に収録されたのをきっかけに読んでみた。

小説自体は、自らの意志で、3歳で成長を止めた主人公のオスカルの独白で、彼の数奇な人生を描いているが、グラスの故郷であるダンツィヒ(現在はポーランド領のグダニスク)の街が、ナチの勃興と没落を切り抜けていく様子も描かれており、単純な寓話ではない。

成長を拒否する主人公に、グラスは何を仮託したのか。3歳の幼児の姿をした怪物、freakが巻き起こすグロテスクな喜劇が、ナチスドイツ、そしてそれに賛同し、追随していったドイツ国民の行いを嘲笑する。そこに何を読むべきなのだろううか。
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