1993年4月ベルリン、テルデック・スタジオにて録音。1991年9月のラフマニノフ作品に始まったアレクサンドル・ラビノヴッチとの連弾は、1993年にモーツァルト:2台と四手のためのピアノ作品集とブラームス:2台のピアノのための作品集を、1995年に魔法使いの弟子と続く。これはアルゲリッチがいかに彼をピアノ・デュオの相手として気に入ったかを示している。気に入った相手とはとことんやる、というのがアルゲリッチ流である。
面白いのは、曲によって第一ピアノと第二ピアノを交互に演奏していることだ。ハイドン・バリエーションではアルゲリッチが第一ピアノ、ソナタとワルツはラビノヴッチが第一ピアノを弾いている。このあたりアルバム・ジャケットにもでている和やかな雰囲気の現れだろう。
ブラームスの『ハイドンのテーマによる変奏曲』はおそらくアルゲリッチのお気に入りの一曲なのだろう。2005年のスイス、ルガーノ音楽祭でのライヴ盤ではアルゲリッチの秘蔵っ子若手ポリーナ・レスチェンコと組んでのこの曲を演奏している。ぼくはレスチェンコとの演奏の方が好きだ。