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この本面白いと思える人って広告業界に憧れているか、業界の中枢ではないところでくすぶっていて、最先端を気取りたい人だろうね。最先端でやっている人間にとってギャグ以外の何者でもない。
例えば、巻頭で始まるブランド力の測定に関する議論では、論理的な理由の提示も無く「できないよね」、「うん出来ないね」で終わっており、挙句には経済産業省が音頭をとって進めていたブランド力測定に関する研究を、おばさんがミニスカはいたらミニスカが終わり、清原がヴィトン持ったらヴィトンが終わるのと同じように、役所がブランドを測定し始めたらブランドが終わるようなもの、と結ばれており、全く意味不明である。
こういった議論が連綿と続くので、ある程度以上のブランド戦略に関する知識を有している方には読み進むのは相当な苦行なので、一種のギャグとして割り切って読んでいく方がよい。
経済産業省がブランド測定の研究を始めたのは社会的にブランド力を測定するニーズが高まっているからで、それは例えば持ち株会社に対するブランド使用料の支払いと利益の贈与との一線をどこで引くか、知的財産権としてのブランドの企業間流動性を高めるためにはどのような会計基準を適用すべきかといった議論がその前提にある。
こういった前提の議論をフッ飛ばして清原云々の意味不明なアナロジーを持ち出し、「出来ない」と断定しながら一方で代替の方法論の提示さえない、というのは、恐らく二人のバックボーンが影響しているのだろうと思われる。
どういうことか?
両著者の出自から推し量るに、ブランド育成は広告を通じて行うものだというのが前提の認識としてまずあると思われる。
その一方で、ブランド価値が仮に測定可能であれば、つぎ込んだ広告費に見合うだけのブランド価値が向上したのか、という論点が当然出てくるであろう。そうなるとクリエイティブエージェンシーや広告代理店に対する市場の要請として、広告費に対してブランド力向上を約束するという一種の成果保証という考え方が出てくる。
これは無責任に広告主の予算を消化している現在の業界関係者としては何としても避けたい事態であり、結果「測定なんか出来ない」と論理的根拠も無く主張するということになる。
その後、中盤から後半にかけては両著者の私生活の相互告白となり、一体何がブランドなのか書名と中身の関係が全くわからないまま読了してしまった。
せめて、なぜあれほどのGRPを注ぎ込んでいるのにブランドが確立できず、いまだにシェアが低迷しているのかを富士通などの例をとって説明してくれると非常に有意義だと思ったのだが、それについては言及されていなかった。
ということで、この本は星ひとつとさせていただきました。
ブランドに関して、学ぶべき点はほとんど得られなかったという印象。
今回はブランドの周辺というか、直接的にはブランドに関係ない(!)
話題が多い。
もちろん、2人の雑談としてはそれなりに面白いのだけど。仕事観とか、
離婚の話とか。佐賀の話も。
タイトルが「ブランドII」ではなく、全く別のものであれば★4つかな。
でも、それ以前に手に取らないか・・
ブランド論を抜きにして、2人またはどちらかのファンであるという
事ならばオススメです。
実際に本書を読んでみて、ブランドについてのお二人の考えや思いが魅力的だと感じるのはもちろん、読むという行為を通して自分に引き寄せて考えてみることができる点が素晴らしいと思いました。
そういう「考えるきっかけ」になるような話題がたくさん詰まっていて、読み終えたいま、ブランドについて自分で調べたり考えたりすることが楽しくなりました。
両氏の語り口は軽くても、今の広告業界や企業が抱える問題、世の中で起こっている現象の本質をとらえることができます。そういう意味で、読み込めば読み込むほど、発見の多い本かもしれません。
また、たとえば広告の作り手側の思いとか志というのは、通常は実際の広告を通して推測することしかできませんが、現場の方がこういった真剣な気持ちで取り組んでおられること、さらに言えば世の中に発表していこう(問題提起していこう)という姿勢には、どこか他人事ではないようで考えさせられます。
前作を読み返すのはもちろん、お二人の次作を楽しみに待ちたいと思います。
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