本書の第一版を初めて見たのは約3年前です。当時持っているブランドから人間
像を構築している点が新鮮で、マーケットリサーチの女の子に勉強になるから読ん
でみては、と貸したところ、忘れているのか、もらったつもりでいるのか、しかし
読んだ様子はまったくないまま帰ってきませんでした。 書名も定かでなかったた
め諦めていたのですが、先日書店で遂に見つけました、しかも改訂版になってい
る!読んでみると残念ながら3年前のインパクトはなくなっていました。この3年
で何が起こったのでしょうか?私の感性が鈍ったのか、日本人の画一化が進んでい
るのか、それぞれの持ち物があまりにも重なりすぎ、それぞれのプロファイリング
の違いが曖昧になってしまったのかもしれません。
それはなぜか、データの解析方法がエモーショナル・マトリックスを中心に、
このステージの人は具体的にどんなブランドを好むのかという切り口でなく、企業
が自社ブランドはどんな人が買っているのか、ターゲットをどこにおくべきかとい
う売り手目線の切り口で無理矢理傾向を出しているからなのではないでしょうか。
そこに生き生きとした顧客像は感じられませんでした。データは客観的でもその
顧客像にリアリティが感じられないのです。
もう一点気になったのは、デモグラフィック・データで見られた年収と持ってい
るブランドのギャップが大きすぎるように感じます。データ上の消費者像が特徴と
なるブランドを全て身につけようと思うと家計は間違いなく破綻するでしょう。
好きなものと購買行動は必ずしも一致しないのではないでしょうか。本物のマー
ケッターはリサーチ会社の売り手目線で積み上がったデータばかりをあてにするの
ではなく、消費者目線でターゲティング戦略を組み立てるべきだと思いました。