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ブランドなんか、いらない―搾取で巨大化する大企業の非情
 
 

ブランドなんか、いらない―搾取で巨大化する大企業の非情 [単行本]

ナオミ クライン , Naomi Klein , 松島 聖子
5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)

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   1999年の11月、シアトルで開かれたWTOの会議に5万人の市民・活動家が集結し、激しい抗議行動を繰り広げた。テレビには、マクドナルドの店舗を襲う一部の人々の姿も映しだされた。なぜ5万もの人が集まり、そしてなぜ攻撃対象がマクドナルドなのか――。本書はその背景にある、いま欧米で盛んな反企業・反ブランド運動に迫ったドキュメントである。

   標的はナイキ、シェル、ギャップ、スターバックスといった世界的に有名な多国籍企業のブランドばかり。本書はこうした企業が攻撃されるにいたった理由を3つの点から論じている。1つ目は、ブランド拡大戦略を掲げる企業のマーケティングに、文化や教育が取り込まれた、というもの。都市空間、メディア、音楽、スポーツのほか、学校や政治的表現の場も企業の進出によって歪められたと指摘する。2つ目は、企業が進める合併やシナジーにより選択肢が奪われた、というもの。意に添わないものを排除する企業検閲の存在も伝えている。3つ目は、外部委託、パート労働などの雇用形態にシフトする企業により仕事が奪われた、というもの。企業がアジアにもつ「搾取工場」の実態もここで暴かれている。

 「そして反撃は始まった」とし、さまざまな形の反企業運動を取り上げている。なかでも著者は、インターネットを駆使する若い世代の活動家に注目。企業のマーケティングを逆手にとるような、彼らの洗練された方法を積極的に描いていく。シアトルでの抗議行動は氷山の一角、企業のグローバル化とともに反抗勢力も世界的にネットワークを広げている…。こうした世界規模の新しい現実が、見事に活写されている。

   著者は1970年生まれのジャーナリスト。本書では自身の活動家としての側面も隠していない。独自に取材・調査したという箇所の説得力はやや弱く感じられるが、一方で、大企業のマーケティングを読み解く鮮やかさが印象に残る。世界的な反企業運動の全貌を初めてとらえたという点で、価値ある1冊であることは間違いない。(棚上 勉)

内容説明

By the time you're 21, you'll have seen or heard a million advertisements, but you won't be happier for it. This is a book about that much-maligned, much-misunderstood generation coming up behind the slackers, who are being intelligent and active about the world in which they find themselves. It is a world in which all that is "alternative" is sold, where any innovation or subversion is immediately adopted by un-radical, faceless corporations. But, gradually, tentatively, a new generation is beginning to fight consumerism with its own best weapons; and it is the first skirmishes in this war that are documented here. The fightback, called "Culture Jamming" uses such techniques as "subvertisements" and "Celebrate Buy Nothing Day".

登録情報

  • 単行本: 437ページ
  • 出版社: はまの出版 (2001/05)
  • ISBN-10: 4893613251
  • ISBN-13: 978-4893613257
  • 発売日: 2001/05
  • 商品の寸法: 21.2 x 15.2 x 3.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 277,327位 (本のベストセラーを見る)
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33 人中、31人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
文章は冗長的ですが、搾取の上に成り立つブランドの宿命を描き出しています。
スターバックスや MTVも「ブランド」である、という視点がなかったので、非常に興味深く読みました。著者はブランドには批判的スタンスですが、それが逆に、現代企業はブランド化しか生き残る道はない、という矛盾も浮かび上がらせています。

例えば、ナイキやGAPの商品を買うということは、東南アジアの子どもたちの搾取につながっているということ...なんとなくは知っていましたが、本書は分かりやすく具体的に搾取の実態を暴きだしています。資本主義経済の闇の部分に光を当てた画期的作品といえるでしょう。

このレビューは参考になりましたか?
47 人中、43人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By shakti
形式:単行本
南北アメリカ、欧州、中近東と世界中で起きてる反グローバル化運動が、なぜ日本では起きないのだろうか。その答えの一つが本書にあるように思われる。ナオミ・クラインは、グローバル化によってひきおこされた途上国の諸問題と、先進国内部の歪みとを刺激的に結びつけることに成功しているのだ。グローバル化の問題は、カナダのような先進国の国内問題であると同時に、開発途上国の問題なのだ。これに対して日本の反グローバル運動関連の本はどうだろうか。もっぱら国際派ないしは開発途上国派の人間によってのみ執筆されているのが現状ではないか。日本内部の深刻な諸問題(経済格差の拡大、自殺大国化、失業蔓延等)とグローバル化とが全然結びついていないのである。グローバル化が途上国問題として論じられては、今の時代、生活に余裕のある人間しか引きつけることは出来ない。ナオミ・クラインを読んで、日本と世界のことをさらに考えてみることを、皆さんにお勧めする。

なお、理論的には批判がない訳ではない。反グローバル化の理論的指導者であるWalden Belloによれば、本書は、ナイキに象徴される軽工業の大企業と、その市場支配戦略(ブランド!)にこだわりすぎているという欠点を持つ。ビル・ゲイツとジョージ・ソロスに象徴される現代資本主義の製造部門と投機部門についての考察が足りないし、IMFや世銀についての言及が少ないと言うことである。あわせて、Walden Belloの本なども読むべきだろう。

このレビューは参考になりましたか?
36 人中、33人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Wenzhong VINE™ メンバー
形式:単行本
ブランドだらけの街は、発展途上国の子どもたちの血と涙で染まった商品と、その血と涙に全く気づかないほど感覚が鈍った先進国の若者たちであふれかえっている――近ごろ流行のホラー映画よりも、もっとおぞましいもの、それが僕たちの世界かもしれない。

実際(日本のメディアはほとんど報じないが)、このことに気づいた欧米の少年たち・学生たちは、ブランド企業への反撃を始めたのだ。

この本は、まず近年盛んになった企業のブランド戦略とは何かを明らかにしていく――ブランド戦略を展開する大企業のトップの発言や広告代理店のコメントという「相手陣営の発言」を裏付けに引用しながら批判するのだから実に痛快だ。一方で、大企業の「人件費削減」の実態を、長期にわたる取材で得た情報をもとに暴いていく。こうしてイメージの後ろに隠れていた「大企業の非情」を白日の下に曝し、それに対抗しゆく最近の市民運動を紹介して締めくくられる。

ブランド品に埋もれながら暮らしている人に是非読んでもらいたい一冊である。
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グローバルブランド批判の先鞭をつけた本
ブランド価値至上主義のマーケティングとグローバリゼーションが、いかに発展途上国の人を搾取し、また先進国の人にも悪影響をあたえているか、を分かりやすく解説してくれる... 続きを読む
投稿日: 2010/4/18 投稿者: 一市民
ブランドを冷静に見つめる上で欠かせない本だ。
とても難しい、でも価値ある内容です。

ただブランドというものが否定されすぎでは?という内容でもあります。... 続きを読む
投稿日: 2007/4/18 投稿者: snowwild
反グローバリズムのマニュフェスト
この書は、「反グローバリズム運動」台頭の結節点になったとされる1999年11月の米国シアトルのWTO抗議デモの直後に出版された。この闘いを経て、未知の闘争領域に踏... 続きを読む
投稿日: 2006/2/2 投稿者: かがりひらく
Excellent analysis and very readable
Klein covers a lot of ground in this book, but manages to successfully hold the... 続きを読む
投稿日: 2002/6/20 投稿者: lloyd sensei
是非和訳して欲しい一冊
徹底した資本主義。全ては利益の為。
社員、消費者、更には「商品」そのものまで蔑ろにする販売戦略。... 続きを読む
投稿日: 2002/2/3
未来ははたして..
興味深い内容だった。世の中のブランド化の流れに対する怒りを感じ取れる。これからブランドについて仕事をする人には少し耳を貸す価値はある。... 続きを読む
投稿日: 2001/11/12
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