あまりにあの手この手を周到に打っているメナンドロスをどう打ち負かすのか?、魔王子の嫁取り物語最終巻。
母元王妃の実家の『時の石』を用いてメナンドロスの過去を探るドナティアン・シャルル。
一方、前巻最後のほうでアルマン・ジュストの手の内に堕ちたアドリエンヌは自我を無くしていて活躍しません(というか、けっこう進むまで出て来ません)。
石が見せたメナンドロスの生い立ち、パトリック・シモンが受けた無償の愛、王妃の息子アルマン・ジュストへの、捩れてはいるけれどそれもまた愛。
魔王子、ラマコス師対、悪霊メナンドロスの火花散るような激しい魔法のぶつかり合いではなく、やはり「愛」が勝負に決着をつけました。でもまあ、あちこち建物が被害にあっています。
悪しきは去り、既に死した魂達が向かうべきところに納得して向かいあるべき運命へと戻る、あとは原点に返ってアドリエンヌとドナティアン・シャルルの大団円…となるのですが…。
もちろん「どうぞお幸せに!」な気持ちになる、皆に囲まれた結婚式なんですが。
この展開にて満足するには、自分はスレ過ぎていたようです(笑)。ここまでようやくたどり着いたからこそ、二人でのあれやこれやを読みたかった〜。
本編の後に、「魔王子さまの新婚生活」として結婚四ヶ月の変わらないやり取りの二人、そして垣間見える未来…って話も載ってるのですが、ある意味正しく『中高生向き』でした。
シリーズ前半はけっこういちゃラブ入ってきてたのに最終的に「大いなる愛」に飲み込まれてしまったかしら、と言うか。
そして蛇足ですが、王妃様。悪霊に憑依されてたとは言え、それを招きそうなるよう望んだのは自分の意思なのに、城に戻って自室にこもって「いずれ彼女も悟る」だろうみたいな最後は何?。今さら何かする、と憂う訳じゃなく仕出かした責任は負わなきゃなあ、と気持ちの据わりが悪いです。