78年発表の6作目。前作発表後、10ccは日本を含めた大規模な世界ツアーを行なった。このアルバムはおそらくそのツアーの体験を生かしたのであろう、世界旅行をテーマにしたコンセプト・アルバムである。楽し気な曲やホームシックに掛かったようなセンチメンタルな曲など、次から次へと新しい世界が広がるカラフルな内容であり、他の作品と比べるとイメージ的には地味だが、かなり新鮮なアプローチも見られ間違いなく代表作の一つだと思う。
1.は10ccが初めて本格的に取り組んだレゲエ・ナンパー。トロピカルでありながら残暑のような虚脱感を含んだ素晴しい曲であり、彼らの代表曲の一つだろう。彼らはこの曲以降、ことわるごとにレゲエ・ナンバーに取り組むが、この曲に及ぶ作品は残していない。2.は美しいコーラスとセンチメンタルなメロディの素晴しい佳曲。彼らのソングライター・チームとしての実力をまざまざと見せつけてくれる。3.は乾いたギターが印象的な明るいポップ・ナンバー。7.は家に帰らせてくれ!と歌われるコミカルでありながら寂し気な雰囲気が漂う曲。このアルバムの「答え」なのだろう。8.はタイトルそのまま東京での心境が歌われた美しくもセンチメンタルなスロー・ナンバー。ミドルでレゲエ調になるあたりが彼ららしい。
メンバーはエリック&グラハムの他にツアーにも参加していたダンカン・マッケイ、ポール・バーシェス、スチュワート・エリオット、リック・フィンを加えた新生10ccとなっており、共作もしている。