西アフリカにあるシエラレオネという小さな国での内紛を題材にし、
レオナルド・ディカプリオがアカデミー賞にノミネートされた作品。
この国は1961年に独立したが、その後40年間に渡って
紛争が続いていた。
この紛争の資金調達のため、不法に取引されるダイヤモンド
(紛争ダイヤ)を巡って現実に起きている問題が、密輸人(レオ)
・記者(ジェニファー)・拉致された漁師・少年兵にされたその息子、
などを通して描かれている。
まず、政府vs反政府組織(RUF)という構図がある。
このRUFというゲリラ組織のやっていることが残酷極まりない。
村を焼き払い、女性はレイプし、男性はダイヤ発掘のために拉致、
少年は徹底的に洗脳し訓練して、マシーンのような少年兵を
作り上げる。
その凄絶さは、
「国民の平均寿命が26歳」「国民の8割が家を失った」
「何万もの人達が腕を切り落とされた」
「少年兵を麻薬中毒にし、実の親を射殺させる」
というエピソードが物語っている。
RUFは、拉致した村人を使ってダイヤを発掘し、その利益で
武器を買い、紛争はドロ沼化していった。
この内紛は結局国民を苦しめただけで、政府側もRUFも愚かすぎる
けど、ビーチが美しく平和だったこの国を、ここまでボロボロに
してしまったのは大国や大企業だったりする。
世界中が欲しがるダイヤモンドが採れることで、国民が潤うどころか
蹂躙されてしまうのだ。
ここでは、世界中のダイヤを牛耳る「バン・デ・カープ社」
(明らかにデ○アス社)が象徴として出てくるけれど、じゃあ、
多くの犠牲の上で流通しているダイヤを買わなければいいのか?
というと、それだけでは済まない。
ダイヤモンドにしろ石油にしろ、(UAEなどの例外を除けば)、
多くは先進国が途上国から搾取することで成り立っている。
身近な問題では、例えば100円ショップに行くと、なんでこれが
100円で買えるの?と驚くことがあるけれど、これもアジアの貧しい
地方の若者の過酷な労働のおかげな訳で。
格差を是正するためには、世界の貿易の仕組みを変えて
いかなくてはならないけど、もしそれが実現すれば、私達
日本人の生活は確実に悪化するだろう・・・
と、こんな暗い話ばかりではなく、少年兵にされた息子を救い出そう
とする父親の愛情や、一緒に逃げる中で生まれる友情は感動的だ。
レオは、9歳で両親を殺され、傭兵として修羅場をくぐってきた
男の凄みが出ていたし、ジェニファー・コネリーは、美しく理知的で、
肝の据わった女性として魅力的だった。
扱っている問題はとても重いけれど、説教くさすぎることなく、
エンタテインメントとしても充分に楽しめる質の高い作品だと思う。