最も参考になったカスタマーレビュー
56 人中、47人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 1.0
生きるってのは、こういうことではありません。, 2010/10/23
レビュー対象商品: ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない [DVD] (DVD)
ブラック会社とか、流行のネタを持ち出して、上っ面の風刺をしてみせる社会派気取りの映画なんだろう、と思っていましたが、違いました。 もっと質の悪いものでした。 未見の方は勘違いしない方がいいと思いますが、これはいわゆる"ブラック会社"なる環境を、ある意味で肯定する映画です。 劣悪な仕事の環境においても、とにかくガムシャラに頑張ればつかめるものがある、何故ならそれが仕事というものだから、というのが、この映画の基本のメッセージのようです。 確かに感動させられるところはありました。 主人公を演じる小池徹平が素晴らしく、一人の若者が厳しい現実に巻き込まれながら、自分を見つめ、迷いながらも、時に周囲の人の助けを受けて切り抜け、最後には職場全体を前向きな流れに巻き込んでみせる様を、この役は彼以外には考えられないと思わせるほどに好演していました。 ただそれは、主人公の一生懸命な姿、自信のなさや過去の悲しみを抱えながらも懸命に生きようともがく姿が感動的なのであって、それ以外の何物でもない。 それは、若い人が意志を持って逆境に立ち向かうときには、いつでも、どんな場面でも生まれうるものだとは思いますが、それに何も意味を見出さず、押しつぶしてしまうのが、おそらく現実の"ブラック"な労働環境なのだと思います。 映画の後半、とうとう限界に来た主人公が溜め込んできた思いを叫ぶ感動的なシーンがありますが、おそらく本当のブラック会社では、ここから何も生まれることはないです。 主人公の叫びは虚しく空気を震わせるだけで、人間的な感情を奪われるほどに疲弊した同僚たちは、反応することもできずに、ただ目の前の仕事をこなしていくだけ。 現実はもっと冷たいです。 そしてそれは当然、何かが狂っている、否定すべきもののはずです。 この映画には"ブラック"な環境自体に対する批判的なメッセージが何も感じられず、そこに初めから違和感があったのですが、監督のインタビューを見て、ああ、何もわかってないんだ、というのがよくわかりました。 ブラックかどうかは「人間関係」によって左右されるもので、それにはまず自分を変えなければならない、と・・・。 そういうレベルの問題ではないというのが、わかっていない。 結局のところ、システム下請け会社の現場の惨状を材料に、映画の制作の手練がお仕事としてきっちり感動作に作り上げた、本質をえぐっていないニセモノの映画だと思います。
34 人中、28人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
システム屋さんでも、そうでない方でも楽しめる, 2010/8/26
レビュー対象商品: ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない [DVD] (DVD)
ソフトウエア開発の会社をモチーフにした物語です。 ニートから、ようやく三流のソフトウエア開発会社に入社した若者の苦慮を コミカルに描いています。 私自身がシステム屋なので、実態と照らし合わせて、かなり楽しめました。 華やかに見られがちなIT業界ですが、裏の実態を広く知ってもらうためにも、 この業界でない方にも是非見てもらいたいです。 午前様が続くとブーブー言っていた妻も、 この作品を見てからは、大変な業界であることを感じ取ってくれたのか、 少し優しくなりました(笑) 元々は2チャンネルのスレが原作(?)で、一応、実話に基づいているのでしょうが、 突拍子もないエピソードの連続で、 この業界でない普通の生活を送っている方々には、かなりオーバーに感じるかもしれません。 しかし、同業の私としては、一つひとつのエピソードは確かにありそうな話で、 近すぎず遠すぎずのバランスでうまくまとめた感じに思いました。 ちなみに私は原作(2ch)を読んでいませんので、 これが映画の演出なのか、実話なのかはわかりませんが、 一つの作品として楽しめることには違いありません。 いろいろ書きましたが、何も考えずに、単純に楽しめる作品ですよ。
140 人中、107人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 1.0
ブラックは所詮ブラック。, 2010/4/29
レビュー対象商品: ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない [DVD] (DVD)
それを暗に、主人公のヒューマンな部分に スポットを当てて正当化するのではなく、 なぜ、もっと社会の闇の部分を風刺しなかったのか。 この経済状況下において、 当作品に登場するような企業は当然あると思われる。 認められない経費、人権を無視した労働環境、 性格の歪んだひどい上司や先輩。 しかし、それは決して正当化されるものではない。 たとえ、その状況で主人公が頑張ったとしても、 それはただのスポ根的な努力物語であり、 決して根本解決にはつながらない。 たとえるならば、 体罰が正当化される教育方針において、 生徒はその体罰に耐え抜き頑張りました。といった感じだろうか。 なぜ、このテーマで作品を作るときに、 根本を見つめる視点やメッセージがなかったのか。 ちなみに当作品の監督は、 > これから就職する人だったり、働きながら行き詰っている人に、 >「何のために働くんだろう」と考えるきっかけにしてもらえたらと思いますね。 と、インタビューで話しているが、 ということは、現在の日本には劣悪な労働環境がある。 それはこんな世の中だから仕方ないことだ。 だからその状況を素直に前向きに受け入れよう。というメッセージを、 上記の人たちにこの映画を通じて伝えたかったのだろうか。 主人公は結局「正しい」奴隷として楽しく過ごしました。 劣悪な労働環境にも順応して仕事が苦になりませんでした。 人間性の歪んだ上司はその人間性のまま上司でありつづけました。 本当に、これでいいのだろうか。 作品の内容の薄さはもちろん、 このテーマならでは視点が大きく欠ける駄作でした。 期待していた作品だけに非常に残念です。
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