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デトロイトテクノに至るまでの壮大な音楽史を総括して語るというのが一応のこの本の通説ですが、これはもうひとつの壮大な抒情詩です。この本には色々な人や逸話が出てきます。登場人物はそれぞれ音楽に対する考え方もやり方も違うし、「金のために音楽をやるんだ」という身も蓋も無いやつだっています。本当に誰もまだ聞いた事の無い音楽を作るために人生を捧げるやつピュアなやつもいれば、音楽を通じて「革命」をするやつだっています。そこには「ここにいるやつはみんな音楽を愛してる」なんていうような甘ったるい共有感なんてありません。ひとりひとりがそれぞれのしがらみや情熱や思いや欲望を抱えて音楽と関わっていき、ひとつの大きなうねりとなっていった「リアル」が圧倒的に存在するのです。まさしく本物の「ソウル・ブック」であることは間違いありません。デトロイトテクノに興味あろうが無かろうが、音楽好きであろうがそうでなかろうが心揺さぶる一冊だと思います。読んだ後何かをしたくなる事必至!!
テクノの創生を描き流れを追って行く作業はもちろん評価してもしすぎることはない。
あるいは、デトロイトという都市(土地?)の背景やゲイカルチャーを文脈に丁寧に取り込んでいることを賞賛するのももちろんである。
しかし、もっとも評価されるべきことはハウスやテクノを「ブラック・ミュージック」の文脈に位置づけたことだ。
そのことを念頭に置いて読めば、野田の「まなざし」の変容もうかがえて面白い。
「ブラック・マシン・ミュージック」は『音楽』という枠組みを超えた、ひとつの記録だ。金をかけ時間を割く価値は十二分にある。
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