手塚治虫先生の名作『ブラックジャック』を連載したのは少年チャンピオンでした。
当時、手塚先生は、虫プロ倒産などの影響もあって生涯最悪の時期。
「もう、手塚の時代は終わった」とまで言われるほどのスランプに陥っていました。
チャンピオンの名物編集長、壁村氏は、花道として誌面を提供します。
しかし、手塚治虫は、そこからヒット作を連発し大傑作を次々と発表します。
この本は、その頃の手塚治虫先生を甦らせたドキュメンタリー漫画です。
正直言って、絵は上手くないのですが、熱は十分に伝わってきました。
手塚先生が、どうやってあれだけの傑作を生み出すことができるのか。
その秘密に触れたい、知りたいと、誰もが持っていると思います。
いろんな方が、アプローチを試みますが、この作品も切り口がユニークで興味深いエピソードばかりです。
『ブッダ』は、手塚先生の傑作の一つですが、ブッダのような人だと思いました。
手塚先生は、漫画を100%愛し、漫画を愛する人を100%愛している、そんな人のように映ります。
一緒に漫画を創った人は、手塚先生の背中を見て神様と同じ作品作りに参加していることに幸福を感じます。
手塚先生の作品には、手塚治虫とそれに係わった人たちの命が注ぎ込まれています。
これ程の作品を読むことのできる私たちは如何に幸福か、今更ながら噛み締めています。
もし可能なら、手塚先生にありがとうございました、と伝えて欲しいです。